目次
◆第4章 第17節による心得
●原文引用
「行為について知るべきだ。非行*について知るべきだ。無為について知るべきだ。行為の道は深遠である。」(第4章 第17節)
●逐語訳(一文ずつ訳す)
- 「行為について知るべきだ」
→ 正しい行為(karma)とは何かを理解せよ。 - 「非行について知るべきだ」
→ 間違った行為(vikarma)や、してはならない行いについても学ぶべきである。 - 「無為について知るべきだ」
→ 真の無為(akarma)――執着なく行う、あるいは心静かに行為を手放す状態も理解する必要がある。 - 「行為の道は深遠である」
→ 行為の正否を判断する道は奥深く、容易に表面的な区別はできない。
●用語解説
- 行為(karma):義務的・正当な行動(例:社会的役割の遂行)。
- 非行(vikarma):禁忌とされる行動。道徳や法に反した行為。
- 無為(akarma):行動の外面的な放棄ではなく、内面的な執着からの自由。
- 深遠(gahana):計り知れない、複雑で奥深い意。
●全体の現代語訳(まとめ)
人は、どのような行為が正しいのか(行為)、どのような行いは間違っているのか(非行)、そして行動をしているようで執着のない状態(無為)とは何かを知らなければならない。なぜなら、行為というものの真理は非常に奥深く、見た目だけでは測れないからである。
●解釈と現代的意義
この節は、「善悪」「やる/やらない」の二元論だけでは捉えきれない深層的な道徳観を示しています。行動は一見正しそうでも、背後の動機や結果が害となれば非行となりえるし、逆に見かけ上の無為も、意識の中に強い執着があれば、それは真の無為ではありません。
本質的な判断には深い洞察力が求められ、それゆえに「行為の道は深遠である」とされるのです。
●ビジネスにおける解釈と適用
視点 | 解釈・応用 |
---|---|
表面的判断の危うさ | 数値目標の達成だけをもって「良い行為」とするのは危険。背後に不正や搾取があれば、それは非行となる。 |
モチベーションの純度 | 意図の純粋性が結果を決める。利己的・短絡的な動機は、長期的な信頼や成果を損なう。 |
無為の実践 | リーダーシップにおいても「介入しないこと」や「任せること」が最善の行為となる場合がある。 |
●ビジネス用の心得タイトル
「」
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