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花びらのように、穢れを静かに手放せ


■ 引用(出典)

一一*
修行僧らよ。雨期にはバグラ*の花が(萎れた)花びらを捨て落すように、
情欲と罪過とを*捨て去れよ。
(『ダンマパダ』第18章 第11偈)


■ 逐語訳

  • 修行者たちよ、
  • 雨の季節にバグラの花が、
  • すでに役目を終えた花びらをひとつずつ静かに落とすように――
  • おまえたちもまた、
  • 情欲(感覚的欲望)と罪過(悪しき行為、過ち)を捨て去るべきである。

■ 用語解説

用語解説
修行僧(比丘)出家者を指すが、ここでは「真理を求めるすべての人」を象徴。
雨期仏教の伝統的な安居(あんご)の時期。修行を深める季節。
バグラの花(vaggulī花)実際の植物には諸説あるが、「花びらを自然に落とす花」の比喩として用いられている。
萎れた花びら役目を終えたもの。手放すべき執着や習慣。
情欲(カーマ)五欲(色・声・香・味・触)に対する執着。
罪過(アヴァジャ)道徳的・戒律的に誤った行為や心の過ち。

■ 全体現代語訳(まとめ)

修行者たちよ。
雨季にバグラの花が役目を終えた花びらを静かに落とすように、
あなた方もまた、感覚への執着や罪深き行いを手放していきなさい。
それは自然の流れに従い、軽やかに生きる智慧である。


■ 解釈と現代的意義

この偈は、「成長のために手放すべきものがある」という真理を優しく、しかし明確に教えてくれます。
情欲や過ちに縛られている限り、人は本当に自由になれません。自然が古きものを手放して次の季節を迎えるように、私たちもまた、人生の節目ごとに脱ぎ捨てるべきものがあります。
この教えは、無理に背負わず、自然に従って軽やかになることの美しさを示しています。


■ ビジネスにおける解釈と適用

観点応用の仕方
習慣の見直し昔の成功体験や慣習が今の足かせになっていないか。今にふさわしくないものは勇気をもって見直し、手放すべきである。
執着とリスク売上・数字・地位への執着が、かえって判断を曇らせる。冷静に「今、何を手放せるか」を考える習慣を持つことが、次の成長を呼ぶ。
反省と赦し過去のミスや失敗をいつまでも引きずるのではなく、適切に学び、潔く手放すことで前に進める。

■ ビジネス心得タイトル

「手放す勇気が、次の季節を連れてくる」

過去の誤りや執着は、ある時点では必要だったが、いまはもう不要かもしれない。
自然が役目を終えた花びらを落とすように、
あなたの心にも、静かに「脱ぎ捨てる力」を宿せ。
その軽やかさが、次の展開を運んでくるのだから。


この第十一偈は、「成熟とは、軽やかに手放す力である」という本質を教えてくれます。

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