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見えずとも、常に在る力――支える者の静かなる偉大さ


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■引用原文(日本語訳)

いたる所に行きわたる強大な風が、常に虚空(エーテル)の中にあるように、
同様に、万物は私のうちにある、と理解せよ。
(『バガヴァッド・ギーター』第9章 第6節)


■逐語訳(一文ずつ訳す)

  • 遍く世界に行きわたっている強大な風は、
  • 常に虚空(アーカーシャ/空間)の中に存在している。
  • 同じように、
  • すべての存在(万物)は、私(バガヴァーン)の中にあるのだと理解せよ。

■用語解説

  • 強大な風(ヴァーユ):あらゆる場所を巡るエネルギー。目には見えないが、存在と影響は明らかである。
  • 虚空(アーカーシャ):空間・エーテル。すべての存在が起こり、動き、留まる場。形はないが全てを包み込む。
  • 私のうちにある:バガヴァーン(神)の存在が、すべてのものの根底に在り、それを成り立たせている。

■全体の現代語訳(まとめ)

目に見えない風が空間の中に常に在るように、
あらゆる存在もまた、神の中に在る。
風と空の関係のように、神は万物に行きわたり、それを支えているが、
静かで、直接的には捉えられない存在でもある。


■解釈と現代的意義

この節は、神の「目に見えないが遍在する本質」を、風と空の関係になぞらえて教えています。
風が空間の中で自由に吹き渡るように、神のエネルギーもすべての存在に息づいています。
それは目に見えず、形もないが、確実に存在し、私たちの命や現象の背後にあるものです。
これは、リーダーシップや支援、信頼といった目に見えない力の在り方とも通じます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
目に見えない影響力優れたリーダーや支援者は、前面に出ずとも組織を支える「空間のような存在」。
信頼と安心の場づくり社員や部下が自由に動けるように、見守りながらも余白を与えるリーダーシップが重要。
遍在する価値観明文化された方針だけでなく、文化や雰囲気という「見えない空気」が行動を形づくる。

■心得まとめ

「見えなくとも支えている――真の力は静かに遍在する」

風が空間を満たすように、神の力もまた全てを満たしている。
それは前に出ることなく、強制することなく、しかし確かにすべてを支えている。
ビジネスでも人生でも、「目に見えないが確かな力」を持つ者が、本当の土台となるのだ。

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