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食の質は、心と魂を映し出す


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■原文(日本語訳)|第17章 第10節

クリシュナは言った。
「新鮮でなく、味を失い、悪臭あり、前日調理された、また食べ残しの、不浄の食物は、暗質的な者に好まれる。」


■逐語訳

  • ユーシャンナン(古くなった食物):時間が経過し鮮度を失ったもの。
  • ティクシュナ(刺激の強すぎるもの)/ルクシャ(乾いて硬い)/パリダフナ(焼きすぎ、損なわれた):質が崩れた料理。
  • プーティ(悪臭ある):不衛生な状態にあるもの。
  • アマドヤン(不潔/煮崩れた):料理として破損・損傷している状態。
  • ヤータヤーマム(前日に調理された):調理から時間が経ち、エネルギーが失われた食物。
  • ガタラサム(味が失われた):旨味・生命力が抜けている状態。
  • タマサ・プリアム・アーナーハ(暗質的な者に好まれる):タマス(無知・惰性・無気力)に傾いた人がこのような食に惹かれる。

■用語解説

  • タマス(暗質):三性(グナ)の一つ。怠惰・無知・不浄・混乱を特徴とする性質。
  • 食の質と精神性の関係:ギーターでは、摂取する食べ物がそのまま心の状態と行為に反映するとされる。
  • 新鮮さ・清浄さの重要性:食はただの栄養ではなく、「霊的エネルギーの受け渡し」として重視されている。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナは、暗質(タマス)に傾いた人々は、不衛生で古く、味や力を失った食べ物を好むと語ります。
それは食べ物そのものの問題ではなく、それを欲する心の在り方を示しており、
怠惰・無頓着・無気力・感覚の鈍化といった精神状態と密接に関係しています。


■解釈と現代的意義

この節は、**「食べ物の質が、心と人生の質に影響を与える」**というギーターの教えを象徴しています。

現代でも、ファストフード・加工食品・保存食品などが広がる中で、
**食事がただのエネルギー補給ではなく、「精神を整える行為」**であることを再認識させてくれます。

「どんなものを食べたいと思うか」は、
自分の今の心の状態を映す鏡でもあります。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈と応用例
セルフケアと意識管理食に対する無頓着は、仕事のパフォーマンスや集中力の低下を招く。食事の質が思考と行動の質を左右する。
生活習慣とリーダーシップ指導者やプロフェッショナルは、自身の生活・食習慣にも清潔さと整然さを保ち、周囲の信頼を得る。
職場の食環境整備社員食堂や休憩スペースでの食の質を意識することで、健康と意欲が向上し、生産性も高まる。
心身の疲労サインとしての食古くて雑な食事が続いているとき、自分の内面が疲れている証拠。そこからリカバリーの必要性を読み取れる。

■心得まとめ

「食の乱れは、心の乱れ」
古く、味を失い、不浄なものを求めるとき、
それは心が鈍り、エネルギーを失っている証である。

ギーターは語る:
「心を清らかに保ちたければ、まず食を清らかにせよ」
食事とは、魂を養う行為である。


この節の直前・直後では、サットヴァ(純質)、ラジャス(激質)、タマス(暗質)の三性に応じた食べ物の分類が続きます。

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