目次
■引用原文(仮訳)
清浄な人はつねにパルグの行を行なう。
清浄な人はつねにウポーサタの斎戒をまもっている。
清浄で行ないの清らかな人には、誓戒が完全に具現されている。
※この句は仏教的実践に基づいた倫理観に通じ、バガヴァッド・ギーター第6章の規律ある修行者の生き方、第17章の**清浄な信仰と行為の分類(三性の行為論)**と重なる内容です。
■逐語訳(意訳)
心身ともに清らかな人は、
日々の修行(パルグの行)を誠実に行い、
節制と沈黙を保つ斎戒(ウポーサタ)を常に守っている。
そのように清浄で、行いの清らかな人には、
自らの誓いや理想が、具体的なかたちとなって実現している。
■用語解説
- 清浄な人:内面の欲望や怒り、偽りを離れ、誠実で素直な心を保つ人。
- パルグの行(paraga):仏教用語ではなく文献により異同あり、おそらく「純粋で律にかなった行い」を意味。ギーター的には自己制御された実践的行為と対応。
- ウポーサタ(uposatha):仏教で新月・満月の日などに行う斎戒・沈黙・瞑想の実践日。自浄の日。
- 誓戒(せいかい):誓いと戒律。行動規範・倫理・内面的な誓いのこと。
- 具現されている:単なる理想や理念にとどまらず、日常の行動として具体化されていること。
■全体の現代語訳(まとめ)
心を清め、日々を誠実に過ごしている人は、
特別な日だけでなく、常に静かな修行と節制を守っている。
そうした人の内なる誓いは、行動を通して現実の中に完全に表現されており、
その人の生き方そのものが、真理の体現となっている。
■解釈と現代的意義
この章句は、「清らかさは一時の状態ではなく、日々の習慣と態度の中にある」ことを強調しています。
それは儀式的な宗教行為ではなく、言葉・行動・意志において誠実である生き方そのものを意味します。
現代では、形式的なルール遵守だけでなく、
内側から湧き出る倫理と節度こそが、人間的信頼や精神的深さをつくると再確認されつつあります。
■ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 解釈と応用例 |
---|---|
プロフェッショナリズム | 表面的なスキルよりも、日々誠実に積み上げた行動こそが信用を生む。 |
倫理観の醸成 | 内的規律(誓戒)を大切にする社員は、目先の利害に惑わされず、長期的信頼を築く。 |
リーダーの姿勢 | 「言ったことを行う」「示した信条を行動に表す」ことが、リーダーシップの本質。 |
継続的自己研鑽 | 休日や特別な場だけでなく、日常こそが人格を練る修行の場であるという意識が、成長を加速する。 |
■心得まとめ
「清き心は、日々の行動で証明される」
真の清らかさとは、
たまに行う修行や儀式ではなく、
毎日の中で誠実に積み重ねる行動と態度にあらわれる。
そのような人の誓いは空言ではなく、
実際の行動において常に具現されており、
その存在自体が周囲にとっての指針となる。
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