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身を慎む者は、自らの世界を浄化する


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■引用原文(日本語訳)

第一七章 怒り(二三一)
身体がむらむらするのを、まもり落ち着けよ。
身体について慎んでおれ*。
身体による悪い行ないを捨てて、身体によって善行を行なえ。
*慎む:節度を持ち、感情や衝動に流されず、制御すること。


■逐語訳

  • 身体がむらむらするのを、まもり落ち着けよ。
     → 身体的な衝動(怒りや欲望)が起きたとき、それを抑え、静めなさい。
  • 身体について慎んでおれ。
     → 身体を通じた言動に注意し、節度ある行動を心がけなさい。
  • 身体による悪い行ないを捨てて、
     → 身体を使って悪事(暴力、盗み、性的逸脱など)をすることをやめ、
  • 身体によって善行を行なえ。
     → 行動を通じて、他者に益する善いことを実践しなさい。

■用語解説

  • 身体のむらむら:怒り、暴力、性欲、怠惰などの衝動的な感情・行動への衝動。
  • 慎む(節度):自制・理性・注意深さ。仏教では「身・口・意(行為・言葉・心)」の三つの行為器官すべてに適用される。
  • 身体による悪行:仏教の五戒では「不殺生・不偸盗・不邪淫」などがこれにあたる。
  • 身体による善行:布施、助け合い、礼節ある態度、他者への奉仕など。

■全体の現代語訳(まとめ)

身体に湧き起こる衝動を、注意深く観察し、落ち着いて抑えよ。
そして身体を慎み、悪しき行いをやめ、代わりに善き行為を積極的に実践せよ。
そのような身体的行動の浄化こそが、人格の土台となる。


■解釈と現代的意義

この偈は、「身体を通じた行動の重要性と、その制御の意義」を説いています。
思いや考えは内面にありますが、それが実際に社会に影響を与えるのは、行動(身体を通した表現)です。
だからこそ、日々の仕草・振る舞い・態度が人格を現し、社会的信頼を築いていくのです。
また、怒りや欲望に飲まれない「身体的な慎み」は、精神的な成熟の表れでもあります。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
身体言語と態度身振り、態度、表情なども信頼構築の鍵。礼儀正しい姿勢は、対人関係で大きな価値を持つ。
衝動的な行動の抑制イライラして物に当たる、攻撃的な態度を取るなどは避けるべき。落ち着いた行動が尊敬を生む。
ポジティブな行動の促進挨拶、助け合い、整理整頓など、日々の身体的な「善行」こそが信頼の礎になる。
行動が評価される文化言葉よりも「何をしたか」が見られる。身体を通じた善い習慣を積み重ねることが、周囲からの信頼を築く。

■心得まとめ

「心は見えなくても、行動は見える。ゆえに、身体を慎め」
感情のままに動くことなく、慎み深く、落ち着いた行動を心がけよ。
ビジネスにおいても、礼節・穏やかさ・積極的な善行が、長期的な信用と成功を生むのです。


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