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果報を求めず、誠実に行う祈りこそ純なる祭祀

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■引用原文(日本語訳)

「人々が果報を期待せず、ただ祭祀すべきであるとのみ考えて意を統一し、教令に示されたように祭祀を行う場合、それは純質的な祭祀である。」
――『バガヴァッド・ギーター』第17章 第11節


■逐語訳

報い(果報)を求めず、
「これは行うべき祭祀である」との信念から、心を集中させて、
聖典に記された通りに(教令に従って)
祭祀(ヤッニャ)を行う者――そのような祭祀は、純質(サットヴァ)に属する。


■用語解説

  • 果報(ファラ):結果・報酬・功徳など、行為の見返りとして期待されるもの。
  • 祭祀(ヤッニャ):神聖な行為、祈り、捧げ物などを通じた霊的奉仕。
  • 教令(ヴィディヒタ):聖典や伝統によって定められた方法や原則。
  • 意を統一する(アヴィカルパ):迷いなく集中し、行為の純粋性を保つ精神の統一。

■全体の現代語訳(まとめ)

人が祭祀(祈りや神聖な行為)を行うとき、もしそれが「結果を求めず、行うべきだから行う」という精神に基づき、聖典の教えに従って心を込めて遂行されるのであれば、それは純質な(サットヴァ的な)祭祀である。
そこには私利私欲も虚栄もなく、ただ誠実な実践の精神がある。


■解釈と現代的意義

この節は、「誠実な行為の価値は、結果や評価ではなく、意図の純粋さにある」という真理を明示しています。
「これは果たすべき義務だから」「正しいことだから」という思いで、見返りを求めずに行う祈りや行動には、浄化作用と高い精神性が宿るとされます。
現代では、功利的・自己投資的な行動が多い中で、この教えは無私の誠実さという忘れがたい価値を思い出させてくれます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
仕事の姿勢昇進・報酬のためではなく、「これは自分の職務として果たすべきこと」と理解して仕事を行う姿勢が、最も安定した成果と信頼を生む。
プロジェクトマネジメント成果主義に傾きすぎると短期的な動機に支配されるが、「善き実践」自体を価値とする視点が組織の質を高める。
社内文化づくり利益追求よりも、「誠実さ・手続きの正しさ」を重んじる風土は、透明性・信頼性の高いチームをつくる。
リーダーの在り方自分の働きが評価されるかどうかよりも、「今すべきことに集中する」リーダーは、部下にも安心感と模範を与える。

■心得まとめ

「見返りを求めず、正しく行うことに価値がある」
祭祀とは、祈りや儀式に限らず、日々の行動すべてに通じる。
その行為が、私利私欲や賞賛を求めるものではなく、「行うべきだから行う」という純粋な意志から発するならば、それは魂を清める純質の実践となる。
ビジネスにおいても同じ――成果に執着せず、誠実に義務を果たす者こそ、本物の信頼と成功を得る

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