1. 固定資産購入時の基本処理
固定資産を購入した際には、取得原価で計上します。取得原価には以下が含まれます:
- 購入代価(本体価格)
- 仲介手数料、不動産登記料
- 設置費用などの付随費用
取得原価で処理することにより、固定資産の正確な価値を帳簿に記録します。
例: 固定資産購入時の仕訳
固定資産(備品)900円を現金で購入し、仲介手数料100円を支払った場合:
備品 1,000円 / 現金 1,000円
2. 手形による固定資産の購入と売却
(1) 手形による購入
- 固定資産を手形で購入する場合、営業外支払手形で処理します。
例: 備品850円を購入し、代金を約束手形で支払った場合:
備品 850円 / 営業外支払手形 850円
(2) 手形による売却
- 固定資産を売却し、代金を手形で受け取る場合、営業外受取手形で処理します。
例: 備品(帳簿価額800円)を850円で売却し、代金を約束手形で受け取った場合:
営業外受取手形 850円 / 備品 800円
固定資産売却益 50円
3. 固定資産の割賦購入
割賦購入とは、固定資産を分割払いで購入する方法です。
割賦購入の場合、利息分は取得原価に含めず、以下のように処理します。
(1) 購入時
購入価格は現金正価(現金購入価格)として処理し、利息分は前払利息で記録します。
例: 備品60,000円を6か月の分割払い(月々の支払額10,500円)で購入し、利息分を前払利息で処理。
備品 60,000円 / 未払金 63,000円
前払利息 3,000円
(2) 割賦金支払時
- 未払金を減少させる。
- 前払利息の一部を支払利息に振り替える。
例: 第1回目の割賦金10,500円を普通預金から支払った場合(定額法で配分)。
未払金 10,000円 / 普通預金 10,500円
支払利息 500円 / 前払利息 500円
4. 割賦購入時の利息処理の方法
(1) 購入時に前払利息で処理する方法
- 割賦期間中に分割して費用化します。
(2) 購入時に支払利息で処理する方法
- 決算時に、未経過分(翌期分)の利息を前払利息として振り替えます。
5. まとめ
項目 | 処理方法 |
---|---|
取得原価 | 購入代価+付随費用で計上。 |
手形購入 | 営業外支払手形で処理。 |
手形売却 | 営業外受取手形で処理。 |
割賦購入 | 現金正価を取得原価、利息分を前払利息または支払利息で処理。 |
割賦金支払 | 未払金を減少、前払利息を支払利息に振り替え。 |
固定資産購入時の処理は、取得原価の正確な計上と支払条件(現金、手形、割賦)に応じた会計処理が重要です。
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