目次
◆第4章 第8節による心得
●原文引用
「善人を救うため、悪人を滅ぼすため、美徳を確立するために、私は世期ごとに出現する。」(第4章 第8節)
●逐語訳(一文ずつ訳す)
- 「善人を救うため」
→ 善き者(ダルマを守る人々)を保護し支えるために。 - 「悪人を滅ぼすため」
→ 不正を行う者(アダルマの存在)を打ち滅ぼすために。 - 「美徳を確立するために」
→ 正義・道徳・秩序(ダルマ)を世界に確立させるために。 - 「私は世期ごとに出現する」
→ 私(神)は時代ごとにこの世界に現れる(化身として)。
●用語解説
- 善人(サッドゥ/sādhu):道を守る人、心清く行動する者。宗教的・倫理的理想の人。
- 悪人(ドゥシュクリット/duṣkṛta):不正を働く者、他者や社会に害をなす存在。
- 美徳(ダルマ):宇宙的な秩序、人としてあるべき道。倫理、正義、真理の総体。
- 世期(ユガ/yuga):インド哲学における時代区分。正義が次第に衰退していく周期的宇宙観に基づく。
●全体の現代語訳(まとめ)
私は、善人を守り、悪人を打ち滅ぼし、正義と道徳を再び確立するために、時代ごとにこの世に姿を現す。
●解釈と現代的意義
この節は、神の「アヴァターラ(化身)」の目的を明示しています。
危機において道を守る者を励まし、秩序を破壊する力を制し、正義を回復するために、神は時代を越えて現れるという、信仰の核となる考えです。
これは単なる宗教的象徴にとどまらず、「リーダーとは何のために立ち上がるのか」という問いにも通じます。
●ビジネスにおける解釈と適用
視点 | 解釈・応用 |
---|---|
リーダーの使命 | 守るべき人(顧客・社員)を救い、組織に害をなすもの(不正・混乱)を除き、理念を貫くことが使命。 |
ビジョンの実行 | 「良きものを育て、悪しきものを断ち、価値を築く」三つの柱は、永続する組織運営の原則。 |
タイミングと行動 | 必要とされるときに、正しい意志と共に立ち上がる勇気が、真の影響力を生む。 |
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