利殖と仁義とは、相反するものではなく、本来一致し得るものである。
正しき道を踏み、仁義をもって為したる利こそ、真に価値ある利であり、永く続く繁栄の礎となる。
私は古の聖賢の教えである『論語』と、実際の計数を司る『十露盤(そろばん)』の二つをもって、その両立を示し導こうとしている。
精神と実利を調和させ、義を失わずして富を得る――この道こそが、誠の商道である。
利のみを追えば心が枯れ、義のみを説いて行動を欠けば世を動かせない。
ゆえに、論語と十露盤の二つを併せ持ち、道と実とを一にせねばならぬ。
○利殖と仁義の道とは一致するものであることを知らせたい。私は論語と十露盤とをもって指導しているつもりである。
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