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商品構成こそ会社の収益性と安定性を確保する基本!商品構成の再構築

T社はアイスクリームの成功で収益増大を実現し、大企業との競合にも自信を持ちました。しかし、次なる課題は、冬季の収益を安定化することでした。季節商品に依存せず、冬場でも十分な収益を確保する「商品構成」が求められます。

冬季商品の開発戦略

候補1:冷凍食品

アイスクリーム製造の冷凍設備を活用する冷凍食品案を検討しましたが、以下の難点が明らかになりました:

品種選択の難しさと開発期間

冷凍食品は品種の選択が難しく、開発に長い時間がかかるため、即効性が求められるT社には不向き。

新たな供給網の必要性

材料の調達や販路の開拓など、最初から取り組む課題が多く、資金の余裕がない中での大規模な設備投資はリスクが高いため、当面は見送りとなりました。

候補2:中華餞頭と菓子類

中華餞頭の需要が伸びており、アイスクリームの販路も活用できるため、菓子類と組み合わせた「商品群」として展開することを決定しました。

  1. 中華餞頭の強化
    中華餞頭を高品質化し、単品でも売れる魅力的な商品にすることで、ブランド力を高めます。営業担当の提案により、材料費を追加し、より「うまい」中華餞頭を作ることで、T社の看板商品としました。
  2. 新商品案:半生菓子
    焼だんごは日持ちの短さからT社の体質に合わないため、菓子研究家が提案した「半生菓子」を採用。これは比較的長期保存が可能で、アイスクリームのように流通しやすい特性を持ち、デパートにも販路を開拓できることが決まりました。
目次

商品構成の要件:安定収益と季節変動への強さ

T社は季節変動に対応するため、以下のような商品構成を目指しました:

  1. 収益性と安全性
    夏冬それぞれの季節に20種類の商品を持つことで、季節依存リスクを軽減し、安定収益を確保。
  2. 柔軟な商品構成
    売上不振の品を除き、新商品を積極的に取り入れる「スクラップ・アンド・ビルド」を実施することで、顧客の需要変化に迅速に対応できる構成を整えました。
  3. 顧客中心の構成
    商品の選択は企業の都合ではなく、顧客のニーズに合わせるべきであるとの方針を徹底しました。

商品構成の成果と進展

  1. 中華餞頭の成功
    高品質化した中華餞頭は予想以上に好評で、社長自らが新規得意先を開拓し、売上が前年の4倍に達しました。これにより、会社に余裕が生まれ、冬季商品の開発に集中できるようになりました。
  2. 半生商品の開発
    半生菓子の開発は困難を極めましたが、T社は焦らず、品質の確保を優先し、失敗を避けるために丁寧な開発を続けています。この取り組みは、会社の体制が安定したからこそ可能となったものです。

教訓:商品構成こそ企業の基盤

商品構成は、企業の収益性と安定性の柱である。

T社の事例は、社長が自社の商品構成の欠陥を理解し、明確な戦略を打ち出すことが、事業の発展につながることを示している。

商品の多様性と柔軟性を持ち、顧客中心の視点で構成を再考することが、経営の成功をもたらす。

※計画的に商品の高級化に努めること。
※多少の収益性の悪さは我慢して契約すること。収益性が低くとも時間を持て余しているよりいい。
※非常事態にはできることは全てやること。
※製造できる商品の精査、また仕入れできる商品の精査

※問屋に対して販売すると、利益率が下がる。小売店直売を増やすこと。
※コストに目が眩むとお客様を忘れてしまう。赤字はお客様を忘れたのが原因になる。
※製造設備から製造できる商品を検討する
※赤字会社が設備投資してはいけない。
※自主経営を目指すなら、下請けの話を受けてはいけない。
※我が社の計画に基づき、生産能力を見極めて、受託を判断する。状態がいい時は受託しなくていい。
※10円値上げして、10円材料費を増やして品質を保つ。
※多少収益性が低くても売上増大でカバーできる。
※下請は数を限定して受注。
※商品構成は、顧客が決めるものである。

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