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賃金・給料を消費したときの処理

労務費の消費時には、直接工・間接工の賃金や、賃金以外の労務費を適切な勘定科目に振り替えます。

目次

1. 直接工の賃金消費額の処理

直接工の賃金消費額は、作業内容に応じて次のように分類・処理されます。

  • 直接作業賃金: 仕掛品勘定に振り替え(直接労務費として処理)。
  • 間接作業賃金: 製造間接費勘定に振り替え(間接労務費として処理)。

例題

  • 当月の直接工の賃金消費額: 1,100円
  • 実際作業時間: 100時間(直接作業80時間、間接作業20時間

計算

1時間あたりの賃金(消費賃率)を計算: 消費賃率=賃金消費額÷作業時間

実際作業時間=1,100÷100=11 円

  • 直接作業賃金: 80×11=880 円
  • 間接作業賃金: 20×11=220 円

仕訳

借方: 仕掛品              880円(直接作業)
借方: 製造間接費          220円(間接作業)
貸方: 賃金              1,100円
借方貸方
仕掛品880賃金1,100
製造間接費220

2. 間接工の賃金消費額の処理

間接工の賃金は全額間接労務費として処理されます。

例題

  • 当月支給額: 500円
  • 当月末未払額: 50円
  • 前月末未払額: 30円

計算

間接工の賃金消費額: 消費額=支給額+当月末未払額−前月末未払額

消費額=500 + 50−30 = 520 円

仕訳

借方: 製造間接費          520円
貸方: 賃金                520円
借方貸方
製造間接費520賃金520

3. 賃金以外の労務費の処理

給料や従業員賞与手当などの賃金以外の労務費は、すべて間接労務費として製造間接費勘定に振り替えます。

例題

  • 事務職員の給料:
    • 当月支給額: 200円
    • 当月末未払額: 20円
    • 前月末未払額: 10円

計算

事務職員の給料消費額: 消費額=支給額+当月末未払額−前月末未払額

消費額=200 + 20−10 = 210 円

仕訳

借方: 製造間接費          210円
貸方: 給料                210円
借方貸方
製造間接費210給料210

4. まとめ表

項目計算式仕訳例
直接工の賃金消費額消費賃率 × 実際作業時間借方: 仕掛品 / 製造間接費, 貸方: 賃金
間接工の賃金消費額支給額 + 当月末未払額 – 前月末未払額借方: 製造間接費, 貸方: 賃金
賃金以外の労務費支給額 + 当月末未払額 – 前月末未払額借方: 製造間接費, 貸方: 給料 / 従業員賞与手当など

この仕訳処理により、製品原価計算や製造間接費管理を正確に行うことができます。

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