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前生の知性は、再び歩む者を導く


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■引用原文(日本語訳)

そこで彼は、前生に得た知性との結合を得る。
それから更に、成就をめざして努力する。
―『バガヴァッド・ギーター』第6章 第43節


■逐語訳(一文ずつ)

  • そこで彼は、
  • 前世で得られた霊的知性(プールヴァ・アビヤーサ)との結びつきを得る。
  • そして、その知性に促されるようにして、
  • 再び〔最終的な〕完成(成就)に向けて努力する。

■用語解説

  • プールヴァ(前生・過去):前の生、すなわち輪廻の中での過去の人生。
  • アビヤーサ(習練):繰り返し修練された精神的修行、ヨーガの実践。
  • ヨーガの成就(サンシッディ):霊的な完成、悟りの境地。
  • 結合を得る(ラブテ):再び内なる知性に目覚めること。

■全体の現代語訳(まとめ)

その人は、過去世において積んだ修行と得た知性に再び結びつく。
かつて歩んだ道を思い出すように、自然と真理への道へ向かい始める。
そして、前生の努力を土台にして、さらなる完成を目指して精進を重ねる。


■解釈と現代的意義

この節は、「志半ばで終わった前生の修行は、次の生でも継続される」という、インド思想における霊的連続性の核心部分を語ります。

  • 一度でも真理を目指した者は、必ず再びその道を歩むよう導かれる。
  • たとえ現世では一から始めているように見えても、魂の深層では記憶されている。
  • 前生の努力は無駄にならず、その「種子」は来世で芽を出す。

これは、霊的努力・倫理的行為は目に見える成果がなくとも決して消えることはないという、深い希望の思想でもあります。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈・応用
人材育成短期間での成果に一喜一憂せず、「蓄積された経験と知性」が再び開花することを信じる。
組織文化一度得た理念や倫理観は、外から見えなくても次代の行動を導く土台となる。
継続性前任者の取り組みや試行錯誤が、将来に生かされる可能性を信じ、継承を丁寧に行う
キャリア観転職や中断があっても、本質的な志はどこかで再び発現する

■心得まとめ

「志は消えず、時を越えて再び花開く」

一度歩み始めた者は、
たとえ道を外れようとも、

再び志の道へと導かれる。

過去の修練が目覚め、
魂は覚えている。

真の道は、途切れることなく、
成就に向かって続いているのだ。

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