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精進と瞑想は、心の汚れを洗い流す


■ 引用原文(日本語訳)

叡智の無い愚かな人々は放逸の状態をつづけている。
つとめはげむ人は、つねに瞑想し、汚れの消滅を達成する。

――『ダンマパダ』第四章「はげみ」第11節


■ 逐語訳(一文ずつ現代語訳)

  1. 智慧を欠いた愚者は、いつまでも放逸に身を任せている。
     正しい理解を持たない者は、怠惰で気ままな生き方をやめられない。
  2. しかし、努力する者は常に瞑想に心を置き、
     意志を持って行動する人は、心の静けさと洞察を深める修行(瞑想)に努め、
  3. やがて心の汚れ(煩悩)を滅し、清らかさを成し遂げる。
     貪欲・怒り・無知といった心の汚れを完全に克服し、純粋な心を得るに至る。

■ 用語解説

用語解説
叡智(パンニャー)仏教で最も尊ばれる徳の一つ。真理を見抜く洞察力。
愚者(バーラ)真理を知らず、放逸・怠惰に流される者。
放逸(パーマーダ)精神のだらしなさ。無関心・怠惰・迷妄。
瞑想(ジャーナ)心を一つに集中させる修行。仏教における心の鍛錬と浄化の中心。
汚れの消滅(キレーサ・ヴィナッサ)心の中の煩悩(貪・瞋・癡)を取り除き、浄化された状態に至ること。

■ 全体の現代語訳(まとめ)

智慧を持たない人は、放逸――つまり怠けた生活や精神のだらしなさに身を任せ続けてしまう。
しかし、努力を惜しまない人は、常に瞑想を通じて自分を律し、心の汚れ(煩悩)を浄化していく。
そのような人だけが、真に清らかな心と人生を築くことができる。


■ 解釈と現代的意義

この節は、「努力と内観によってこそ人は変われる」という核心的な教えを示しています。
単なる行動だけでなく、静かに自分の内側を見つめ、整えていく「瞑想(内省)」を通してこそ、
人生にまとわりつく欲望や怒り、迷いといった“心の汚れ”を洗い流すことができるのです。
「静かなる実践」が、心を磨き、人格を高めるのです。


■ ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
自己成長の本質スキルや知識の前に、心の態度(怠け心・焦り・妬み)を整えることが、真の成長につながる。
メンタルマネジメント忙しい中でも、意識的に「静かな時間(瞑想・内省)」を持つことが、判断力と心の余裕を育てる。
継続する努力外的成果よりも、心を整え続ける日々の精進こそが、長期的な信頼と成功を築く礎となる。
クリーンなリーダーシップ部下やチームを率いる立場にこそ、「清らかな心」が必要。私心のない判断力は、内面からしか生まれない。

■ 心得まとめ

「努力し、瞑想する者は、心の汚れを洗い流す。」

真に価値あるものは、静けさと誠実な努力の中から生まれる。
怠惰に流されることなく、自らの内面と向き合う姿勢こそが、
真の幸福と品格を築いていく道である。
心を磨くことにこそ、人生の本当の意味が宿るのです。


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