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最上を選び取る者こそ、神の道に通ず


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■引用原文(日本語訳)

「私を司祭のうちの最上者ブリハスパティであると知れ、アルジュナ。私は将軍のうちのスカンダ(韋駄天)である。湖水のうちの海である。」
(『バガヴァッド・ギーター』第10章 第24節)


■逐語訳(一文ずつ)

  • purodhasāṁ ca mukhyaṁ māṁ viddhi pārtha bṛhaspatim
     → 司祭たちのうちの最上者、ブリハスパティを私だと知れ、アルジュナよ。
  • senānīnām aham skandaḥ
     → 将軍たちの中では、私はスカンダである。
  • sarasām asmi sāgaraḥ
     → 湖水・水域の中では、私は大海である。

■用語解説

  • ブリハスパティ(Bṛhaspati):神々の司祭(プローヒタ)。知恵と宗教的指導力の象徴。
  • スカンダ(Skanda):軍神・戦の神。シヴァの息子ともされ、仏教では「韋駄天」として知られる。
  • 海(Sāgara):全ての水の中で最も偉大な存在として、無限・深遠・包容の象徴。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナは語る。「祭司の中で最も偉大なブリハスパティ、軍の将帥の中ではスカンダ、そして湖水の中では海――これらが私の顕現である」と。
それぞれの領域における“最上の象徴”を通して、神の本質は現れるという教えである。


■解釈と現代的意義

この節では、「知恵(ブリハスパティ)」「勇猛(スカンダ)」「包容(海)」という三つの異なる力の頂点に神の顕れがあると説かれています。
それはつまり、知的リーダーシップ・戦略的行動力・寛大な受容性といった、社会・組織・人間にとって重要な資質が、神の顕現であるという意味です。

私たちも、各領域で「最善・最良・最深」を目指す中で、神性を帯びた行動に至るのだという励ましを受け取ることができます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
経営哲学知恵・決断力・包容力の三つが、経営者にとって最重要。これらの「最上者」を目指す姿勢に、神的影響力が宿る。
組織構築知恵を導く参謀(ブリハスパティ)、先陣を切るリーダー(スカンダ)、受容的なサポーター(海)を配置することで、バランスの取れた強い組織となる。
商品開発分野ごとの「最上」を象徴するような製品を作ることで、顧客に強い印象と信頼を与えられる。
自己成長自分の領域で「知・力・包容」を極めることが、自身の信頼・尊敬・影響力を高める道である。

■心得まとめ

「分野の最上を目指せ。それが、神に至る道である。」

知恵の頂に立つ者は人々を導き、
力の先頭に立つ者は人々を鼓舞し、
すべてを受け容れる者は人々を癒す。
それぞれの場で最上を尽くすことこそ、神と共に生きる道なのです。


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