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悩む前に思い出したい──下を見て感謝し、上を見て奮起せよ

物事が少しでも思い通りに進まないとき、人はすぐに不満や悩みを抱きがちである。しかし、そのときこそ、自分よりはるかに厳しい状況でも前向きに努力している人を思い出すと良い。すると、自分の悩みが実は「ぜいたくな不満」であったことに気づかされる。

また、なまけ心が顔をのぞかせたときには、自分よりも先に進んで努力を重ね、成果をあげている人のことを思えば、自ずとやる気が湧き起こり、精神は奮い立つ。気持ちを引き締めるよい刺激となる。

不平や怠慢は、自分の視野が狭くなったときに生まれる。だからこそ、自分を超える誰かを心に思い描くことが、精神をリセットし、正しい方向へ導く鍵となる。


原文と読み下し

事(こと)稍(やや)払逆(ふつぎゃく)せば、便(すなわ)ち我(われ)に如(し)かざるの人を思(おも)えば、則(すなわ)ち怨尤(えんゆう)自(おの)ずから消(き)えん。
心(こころ)稍(やや)怠荒(たいこう)せば、便ち我より勝(すぐ)れるの人を思(おも)えば、則ち精神(せいしん)自(おの)ずから奮(ふる)わん。


注釈

  • 稍払逆(ややふつぎゃく):少し物事がうまくいかないこと。ちょっとした逆境。
  • 我に如かざるの人:自分よりも条件の悪い中で努力している人。
  • 怨尤(えんゆう):不満・愚痴・恨みのような感情。
  • 怠荒(たいこう):怠けて心が緩み、意欲を失っている状態。
  • 我より勝れるの人:自分よりも努力を重ね、先に進んでいる優れた人。

パーマリンク(英語スラッグ)案

  • perspective-cures-discontent(視野の転換が不満を癒す)
  • grateful-then-driven(まず感謝し、次に奮起する)
  • see-below-rise-above(下を見て感謝し、上を見て高まる)

この心得は、つい愚痴や怠惰に傾きそうになる日常のなかで、自分を律するための非常に実用的な教えです。「誰かの努力が自分を励ましてくれる」──その気づきが、今日をより良くする一歩になります。

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