目次
📖引用原文(日本語訳)
一一*
気力無くなまけている人も、
遅鈍な人も、
はっきりと知ることの無い人も、
あらゆる絆を破りくだく安らぎ(=ニルヴァーナ)に達することはできない。
🔍逐語解釈と用語の意味
表現 | 解釈 |
---|---|
気力なくなまけている人(アーラッシャ) | 精進せず怠ける者。実践を避け、努力を怠る心の状態。 |
遅鈍な人(ムーダ) | 理解力や集中力が鈍く、精神的な鍛錬を拒む態度。 |
はっきりと知ることの無い人(アヴィジャー) | 無明(無知)にある者。真理に対する無関心・誤解・妄信の状態。 |
絆(サンヨジャナ) | 輪廻を縛る十の結び目(欲望・自我執着・疑いなど)。 |
安らぎ(ニルヴァーナ) | 煩悩の結び目が断ち切られた完全な心の自由・静寂・真の幸福。 |
🧘♂️全体の現代語訳(まとめ)
怠けて精進しない者も、
感性が鈍く努力を避ける者も、
真理を知ろうとしない無知のままの者も、
心を縛る一切の絆を断ち切り、安らぎ(ニルヴァーナ)に至ることはできない。
悟りは、偶然与えられるのではなく、明晰な努力と理解の積み重ねによってこそ得られるものである。
💡解釈と現代的意義
この句は、仏教における“智慧と精進の必要性”を明示しています。
つまり、悟りや安らぎの境地は「心がけて努力した者だけに訪れるものであり、偶然には手に入らない」という厳しい現実です。
今日の私たちにとっても、
- 向き合うことを避ける心
- 知ろうとしない無関心
- 努力を後回しにする習慣
これらは、精神的成長を妨げ、長期的な「真の満足」から自らを遠ざける要因です。
💼ビジネスにおける適用
観点 | 適用内容 |
---|---|
プロフェッショナリズム | 成果は「才能」よりも「精進」と「理解」から生まれる。怠慢・油断は信用を損なう最大要因。 |
学習と成長 | 知らないことを放置しない。問いを持ち、調べ、学び続ける姿勢がキャリアを築く。 |
変化への適応 | 「分からない」「できない」と言って止まるのではなく、学び取ろうとする意志が、激動の時代に通用する力になる。 |
内省と心の鍛錬 | 心の癖(怒り・嫉妬・不安)を見つめ、乗り越える努力をしない限り、真の安定(安らぎ)は得られない。 |
✅心得まとめ
「怠り、鈍く、無知でいる限り、安らぎには近づけない」
ニルヴァーナは「運命」ではなく「修行の帰結」である。
真理を知ろうとする智慧と、そこに向かう精進がそろって初めて、
人はその絆を断ち切り、自由となる。
現代でも、精神的・職業的・人間的な成長において同様です。
「学び、鍛え、努めることを避けない」――それが、個人としての静かで力強い道となるのです。
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