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生命はとどまらず、還ることもない──時は流れ、人は歩む


目次

引用原文(現代語訳)

夜の最初のあいだ、母胎に入って住みつく人は、
安らかにとどまること無く、(迷いのうちに)遷って行く。
去って、もはや還って来ない。


逐語訳と用語解説

表現解釈・補足
夜の最初のあいだ生命のはじまり、または人生の初期段階のたとえ。ここでは「母胎に宿る瞬間」を示す。
母胎に入って住みつく人生まれ変わった魂=生命のはじまり。
安らかにとどまること無く生は落ち着きなく変化し続ける。存在はつかの間であり、安定した実体ではない。
(迷いのうちに)遷って行く無明(真理を知らないこと)の中で、転生し続ける状態=輪廻。
去って、もはや還って来ない時間や生命は一方向。過去の状態には戻れない無常を表現する。

全体の現代語訳(まとめ)

生命は母胎に宿ったその瞬間から、流れ始め、落ち着くことなく変化していく。
人は真理を知らぬまま迷いながら時とともに移り変わり、
過ぎ去ったものには二度と戻れない――これが生の本質である。


解釈と現代的意義

この節は、「人生は一瞬たりとも止まらず、常に流れている」という仏教的な実存観を表しています。
人は生まれた瞬間から死へと向かいながら、ほとんど気づかずに日々を過ごしてしまう。しかし、気づいた者だけが、その有限性の中に意味と目覚めを見出せるのです。

これは単なる悲観ではなく、「今」という刹那にこそ真実があるという覚醒の促しでもあります。


ビジネスにおける解釈と適用

観点実践的な適用例
時の意識「あとでやろう」は幻想。すべては刻々と移り変わっている。いま動くべき。
意思決定と行動チャンスは一度限り。状況は「戻らない」前提で、瞬時の判断と決断が必要。
人生設計過去には戻れない。今の行動が、未来を決める唯一の選択肢である。
変化と継続性の理解組織も人材もとどまらず移り変わる。「現状維持」を幻想とせず、変化を前提に設計する経営感覚が重要。

心得まとめ(感興のことば)

「時は待たず、人は戻らず──今ここに覚めよ」
生命はとどまることなく、
知らぬうちに迷いながら、通り過ぎてゆく。
振り返っても、あの時にはもう還れない。
だからこそ、目を覚まし、「今」を深く生きることに意味がある。


この節は、「有限の中に無限の価値を見出す」ための仏教的洞察を体現しています。

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