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徳が崩れれば、人も世も乱れる


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■引用原文(日本語訳)

「不徳の支配により、一族の婦女たちが堕落する。
婦女たちが堕落すれば、種姓の混乱が生ずる。」
―『バガヴァッド・ギーター』第1章 第41節


■逐語訳(一文ずつ)

  • 「アダルマ(不徳)が一族を支配すると、
  • 婦人(ストリ)の純潔と節度が乱れ堕落し、
  • その結果、
  • ヴァルナ(種姓)の混乱が生じる。」

■用語解説

  • 不徳(アダルマ):道徳や社会規範が失われ、無秩序と混乱が広がる状態。
  • 婦女の堕落(ストリーナーム・ジャーラヤテ):ここでの「堕落」は性的な意味に限らず、家族や社会秩序を支える存在としての役割が崩れることを指す。
  • 種姓(ヴァルナ):インド古代社会における職業的・道徳的役割区分。種姓が乱れることは、社会秩序そのものの崩壊を意味する。

※本節では性別や階層に関する古代インドの価値観が色濃く現れており、現代的にはそのまま受け取るのではなく象徴的に理解する必要があります。


■全体の現代語訳(まとめ)

一族に道徳が失われれば、家庭を支える女性たちの節度や倫理も揺らぎ始める。
その混乱は、やがて家族のつながりや子どもたちの育成、ひいては社会全体の役割・秩序を崩壊させる。
――アルジュナは、戦争による「徳の崩壊」が連鎖的に社会の根幹を揺るがすと危惧している。


■解釈と現代的意義

この節は、道徳が失われることの「波及効果」の重大さを語っています。
個人の乱れは家庭に波及し、家庭の乱れは社会に波及する。
女性に限った話ではなく、「次世代を育み、秩序を保つ役割を担う存在」が動揺すれば、社会基盤は崩れるという警告です。

現代社会でも、家庭・教育・信頼の場が崩れれば、子どもたちや若い世代に影響を及ぼし、長期的には社会の倫理そのものが劣化します。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
カルチャーの崩壊連鎖一部の不正や無責任が容認されると、現場や若手のモラルが一気に崩れる。
育成と模範の重要性経営層やリーダーが道を外すと、下の世代に悪影響を与える。模範と信頼が組織文化の根幹。
信頼環境の維持社内の秩序が乱れると、倫理観や行動規範に揺らぎが生じ、離職や信用低下が連鎖する。
サステナブルな文化構築今だけの成果ではなく、未来を育む文化・秩序の保全が企業の持続性を決める。

■心得まとめ

「徳が崩れれば、人も家も世も崩れる」
アルジュナは、戦争によって一族が破壊されると、女性や子ども、社会の根幹までが影響を受け、永続的な混乱が起きると見抜いている。
現代においても、秩序や信頼を壊す行動は、必ず誰かの未来を損なう。
一時の勝利ではなく、未来を守るための判断こそが、本当の英知である。


次の第42節では、「種姓の混乱」がもたらすさらなるスピリチュアルな・社会的な影響が語られます。ご希望であ

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