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自分の心が整えば、世界も穏やかに見えてくる

いつも自分の心を**円満(えんまん)**に――角を立てず、偏らず、丸く保っていれば、
世の中にある不平や不足も、不思議と見えなくなる。

また、自分の心を**寛平(かんぺい)**に――広く、おおらかで、落ち着いた状態に保っていれば、
世の中にある人間関係のとげとげしさや、猜疑心、敵意といったものも、自然とやわらいで見えるようになる。

つまり、「世界はどうであるか」よりも、「自分の心がどうであるか」が、
現実の見え方や人との関わり方を決定づけているのだ。

心の持ちようひとつで、人生はまったく違って映る。
そうした深い心理の道理が、この一節に込められている。


原文とふりがな付き引用

此(こ)の心(こころ)常(つね)に看得(みえ)て円満(えんまん)ならば、
天下(てんか)自(おの)ずから欠陥(けっかん)の世界(せかい)無し。
此の心常に放(はな)ち得(う)て寛平(かんぺい)ならば、
天下自ずから険側(けんそく)の人情(にんじょう)無し。


注釈(簡潔に)

  • 看得て円満(みえてえんまん):ものごとを偏りなく、丸く見られる心の状態。
  • 寛平(かんぺい):おおらかで広く、平穏な心。狭量ではない。
  • 欠陥の世界:不満や不足が目につく世の中のこと。
  • 険側の人情(けんそくのにんじょう):とげとげしく、刺々しい人間関係。

パーマリンク案(英語スラッグ)

peace-inside-peace-outside
「内面の平和が外の世界を穏やかにする」という主旨を端的に表したスラッグです。

その他の案:

  • see-the-world-through-a-calm-heart
  • round-heart-smooth-world
  • tranquil-heart-tranquil-world

この章は、「現実がどう見えるか」は、外の状況ではなく、内なる心の状態によって決まるという思想を表現しています。
自己の心を調え、まるく広く穏やかにしていくことで、
争いや不満、敵意に満ちているように見えるこの世界が、
実は柔らかく、優しいものであると気づけるかもしれません。

1. 原文

此心常看得圓滿、天下自無缺陥之世界。此心常放得寬平、天下自無險側之人情。


2. 書き下し文

此の心、常に看得て円満ならば、天下に自(おの)ずから欠陥の世界無し。
此の心、常に放ち得て寛平(かんぺい)ならば、天下に自ずから険側(けんそく)の人情無し。


3. 現代語訳(逐語/一文ずつ訳す)

  • 此心常看得圓滿、天下自無缺陥之世界。
     → 心のあり方が常に円満(おだやかで調和のとれた状態)であれば、世の中に欠けや不備のある世界は自然と存在しなくなる。
  • 此心常放得寬平、天下自無險側之人情。
     → 心を常に広く寛大に保つことができれば、人の情にも険しさや歪みは感じられなくなる。

4. 用語解説

  • 看得て円満(かんとくてえんまん):物事を受け止める心が穏やかで調和的であること。
  • 放ち得て寛平(かんぺい):心を広く寛容に保てること。
  • 欠陥(けっかん):不完全さや足りない部分。
  • 險側(けんそく):隠れた敵意やゆがんだ感情、偏狭さや陰湿な気持ち。

5. 全体の現代語訳(まとめ)

自分の心がいつも穏やかで調和のとれた状態であれば、この世に欠けたものや不備のある世界など見えなくなる。
また、心を常に広く寛大に保つことができれば、人の心の険しさや偏りも自然と気にならなくなる。


6. 解釈と現代的意義

この章句は、**「世界の見え方は、自分の心の状態に左右される」**という、極めて深い心理的・哲学的真理を説いています。

  • 心が整っていれば、外の世界も自然と整って見える。
  • 批判的な目で見れば欠点ばかりが目に付き、
     寛容な目で見れば、同じ人や世界も美しく調和して見える。
  • 他人が険しい・嫌な人だと思えるとき、実は自分の心が狭くなっていることへの警告でもあります。

つまり、「人間関係のトラブル」や「社会の不満」を感じるとき、まず自分の心のあり方を整えよという教えです。


7. ビジネスにおける解釈と適用(個別解説付き)

▪ 職場の雰囲気や人間関係は、自分の心の状態が大きく反映される

  • 上司や同僚に対する「違和感」や「批判」も、自分のストレスや視野の狭さから生じていることがある。
  • 寛容で協調的なマインドセットを持つことで、自然と周囲の人の見え方も変わる。

▪ 「問題のあるチーム」ではなく、「問題を感じる自分の心」を整える

  • 組織改善は、外的要因の分析と同時に、内面的な成長・寛容の姿勢が不可欠。
  • チームビルディングもリーダーの「円満な心」「寛平な態度」が起点となる。

▪ 利己的な見方を減らすことで、顧客・取引先との関係も良好に

  • 相手の欠点を探すより、その背景や事情を思いやる姿勢が長期的な信頼を築く。
  • 心の寛容さは、交渉やクレーム対応にも効果的。

8. ビジネス用の心得タイトル

「外を変える前に、内を整える──心の円満が世界の円満を呼ぶ」


この章句は、自己改革を通じて世界と調和するための原理を説いたものです。

  • 外の世界を「欠陥」だと感じるのは、内なる心の不足。
  • 他人を「歪んでいる」と感じるのは、こちらの心の角が立っているから。

つまり、視点・評価・世界観はすべて、心の状態の反映
それゆえ、心を整えることが、家庭・職場・社会における最高の改善法であると教えてくれます。

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