今回は、パート社員の賃金テーブルの作成方法について解説していきます。
賃金テーブルの作成方法
賃金テーブルを作成するには、下記のステップを経て作成していきます。
- ベース賃金の決定
- 法律や規制の確認
- 業界基準の調査
- 号棒表の作成
- 職務の評価
- 経験やスキルに基づく差別化
- パフォーマンス指標の統合
- 透明性の確保
- フィードバックと調整
- 定期的な見直し
ベース賃金の決定
まずはベース賃金を決定しなくていけません。
法律や規制の確認
最初に、国や地域の最低賃金法を確認してください。労働基準法などの関連法規を理解し、遵守する必要があります。正社員の賃金テーブルを作成する際にも必要ですので、確認しておきましょう。
業界基準の調査
類似の職種や業界で一般的な時給レートを調査し、競争力のある賃金を設定します。最低賃金に対して、時給が相応か判断します。業界基準とかけ離れていると、良い人材は他社に流れてしまうので、注意が必要です。
最低賃金法で定められた最低賃金と、業界基準を調査し終わったら、ベースの時給を決定します。いつでも修正できるのでとりあえず仮決定で問題ありません。
号俸表の作成
号俸表を作成します。号俸表は、横軸が「級」、縦軸が「号俸」で構成されている賃金テーブルのことです。横の等級数と縦の号俸数を決定します。
弊社では、横の階級は、10等級まで、縦の号棒は25号棒まで存在しています。
ただパート社員に関しては2等級25号俸までの昇給です。それ以降に進むには時短社員以上になることが条件です。
号俸表についてはこちらの記事で記載しています。

職務の評価
各パート社員の職務内容、責任範囲、必要なスキルや経験を評価し、それに基づいて適切な賃金レベルを決定します。
職務内容や責任範囲などによって、パート社員に関しては2等級25号棒としていますが、特殊な能力が必要な職である場合は、スタートラインを変更したり、3等級の途中までといった具合に変更することも可能です。
経験やスキルに基づく差別化
社員の経験、教育、スキルレベルなどに基づいて、賃金テーブル内で複数のレベルまたはグレードを設定します。

スキル | |
---|---|
LEVEL1 | 指定された業務に対して不明点はあるがチームメンバーに聞いて対応できる |
LEVEL2 | 指定された業務に対してマニュアルを完全に遂行できる |
LEVEL3 | チームリーダー:人に指導・教育できる。部下1人育成 |
LEVEL4 | チームリーダー:部下2人育成 |
LEVEL5 | チームリーダー:部下3人育成 |
LEVEL6 | チームリーダー:部下4人育成→班長へ |
役職 | 手当 |
---|---|
チームリーダー | 3,000円 |
副部長 | 5,000円 |
部長 | 8,000円 |
昇給に関して
昇給は、パフォーマンスに関わらず、年功序列のようなシステムで、1年経ったから自動的に賃金が上がっていくことです。
例えば、半年に1回評価制度を導入している会社なら、基本1号俸昇給、年間で自動的に2号俸昇給という制度を撮ることもできます。
パフォーマンス指標の統合
パフォーマンスや達成目標に基づくインセンティブがある場合、これらの要素を賃金テーブルに組み込むことを検討します。
例えば、製造であれば製造達成インセンティブ(+100円/1日)を付与するなども考えられます。一般的なものでいうと皆勤インセンティブ(+2,000円)なども一つの方法としてあります。
透明性の確保
賃金計算の方法を明確にし、社員が自分の賃金がどのように決まるのかを理解できるようにします。
賃金計算説明会や、個別ミーティングで説明します。
フィードバックと調整
社員からのフィードバックを受け入れ、必要に応じて賃金テーブルを調整します。
定期的な見直し
経済状況、物価上昇、市場動向などを考慮し、定期的に賃金テーブルを見直し、必要な更新を行います。弊社の場合は半年に一回見直す様にしています。
注意点
- 平等な扱い
- コンプライアンス
- 内部コミュニケーション
- 市場競争力の維持
平等な扱い
性別、人種、宗教、年齢などに基づく差別をしないように注意し、全ての従業員に平等な機会を提供します。
コンプライアンス
労働法、最低賃金、残業代、休日手当など、関連する全ての法律や規制を遵守してください。
内部コミュニケーション
賃金テーブルの変更や更新については、従業員に明確に伝え、疑問や懸念に対応します。
市場競争力の維持
定期的な市場調査を行い、企業が競争力を維持できるように賃金テーブルを調整します。
これらのステップと注意点を考慮に入れることで、企業は労働者のモチベーションを維持し、組織の健全性と法的コンプライアンスを確保することができます。
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