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政策転換を勧告する
S社の業績低下の原因を分析し、その実証データに基づき、政策の転換が急務であることを指摘した。具体的には、能率主義や生産重視の経営から、収益重視・営業重視の経営へと舵を切らなければ、会社の存続が危うくなることを強く訴えた。 具体策として、以... -
高収益の受注作戦展開
最初に必要なのは、能率至上主義を手放し、効率を重視する方向へ切り替えることだ。どれだけ生産性が高くても、作られる製品が利益を生み出さなければ意味がない。 だからこそ、収益性の高い製品を選んで受注するべきだという話になる。とはいえ、収益性の... -
値上げ要求は経営者の仕事
次に、需要のない製品に対する値上げ要求についてだ。当初この案を持ち出した際、社長は「そんなのは論外だ。そんな提案をしても値上げなんて絶対に受け入れられるわけがない、無駄だ」と一蹴したのだ。 しかし、それは誤解だ。値上げが実現しない可能性が... -
重役の給料棚上げ
第二に、不足している資金については、社宅建設用に確保していた土地を売却する方針とする。合理化計画については、すでに開始しているものも含めて直ちに中止し、すべて無期限で延期する。さらに、社長以下の役員全員の給与を6カ月間半額とし、その分を保... -
政策を転換し画期的業績をあげる
社長は、私の提案に耳を傾けていた。そして、話が終わると、しばらく考え込んだ様子でこう言った。「これまで、能率を上げることが会社の業績を伸ばす鍵であり、それこそが社長としての役目だと考えていた」。 「今になって、その考えが間違っていたことが... -
S社の実例からわれわれは何を学ぶか
教訓 能率主義には会社を発展させる力がない。会社を成長させるのは、収益性の高い製品を販売するという効率主義だ。 効率主義に欠かせないのは営業活動だ。 効率主義において重視すべきなのは価格政策だ。 能率主義の限界を正確に理解しておく必要がある... -
能率は部下に任せよう
能率を否定しているわけではない。むしろ、かつて能率を専門としてきたからこそ、その重要性は深く理解している。そして、その重要性はこれからも一層高まっていく。 しかし、かつて社長や上級幹部が注目していた能率向上の課題は、その重要性が増している... -
営業力強化こそ緊急事である
S社の教訓の第二は、営業活動の重要性にある。企業の成果は内部ではなく、外部に存在する。売上があって初めて成果が生まれる。 どれほど高性能で高品質な商品であっても、売れなければ単なるスクラップにすぎない。いくら効率的に生産しても、それが低収... -
製造部長が営業の第一線で
I社の製造部長は、出勤後におよそ1時間ほどでその日の製造指示や必要な業務を片付け、背広に着替えて得意先へ向かう。この日課は、ほぼ毎日のように繰り返されている。 そのため電車の定期券を持ち、一日中得意先で過ごす生活を続けている。この習慣は何年... -
他社の三倍の営業マンで
M製作所は、従業員200人を抱える高収益企業だ。女社長が経営を担い、亡くなった夫の遺志を引き継いで奮闘している。社長に「御社の高収益の秘訣は何ですか?」と問いかけてみると、返ってきた答えは――。 「私は女で、経営のことは何も分からない。ただ幸運...