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幹部社員を動機づける
この章では、経営計画が社員の意識と行動を大きく変える力を持つことが描かれています。経営計画が社長の決意と責任から生まれる会社の未来像を示し、それが社員の強い動機づけとなっています。 いくつかの具体的な事例を通じて、経営計画がどのようにして... -
経営計画なくて経営なし
企業経営には不確定要素が多く、計画を立ててもその通りに進むことは稀だ。このため、経営計画自体を放棄する経営者も少なくない。その結果、成り行き任せの経営となり、社長は自らの方針を示さず、社員の行動ばかりに目を向けるようになる。こうした状況... -
馬謖を切れるか(ばしょく)
経営計画の推進を阻む内部要因として最も大きなものは、多くの企業に共通する「重要な役職を占める無能な幹部」だ。このような例はどの企業にも見られるため、あえて具体例を挙げるまでもない。年功序列に基づく人事制度では、必然的にこうした状況が生じ... -
社長とは会社の将来の方向を決める人である
「社員が残業している時、いつも社長室に明かりが灯っている。」 これは、ある社長を称える記事に記された一文だ。しかし、こうした姿勢が本当に名経営者の条件と言えるのだろうか。確かに、社長の人間味や美徳が感じられる一面ではある。 しかし、こうし... -
だれか経営学を知らないか
社長という役職は、本当に大変なものだと感じる。見方によっては、最も割に合わない仕事かもしれない。そんな社長たちと常に向き合い、相談役としてサポートするのが自分の仕事だ。 社長の苦しみや迷い、忙しさ、孤独――そういったものを肌で感じ取るのが自... -
経営学は雑論
現在、一般的に「経営学」と呼ばれているものは、その本質から大きくかけ離れている。故・新居崎邦宣氏の言葉を借りるなら、「ベストセラーとなった経営学の入門書を通して読んでみたが、そこには経営学の本質を示すものは何もなかった。記されているのは... -
真の経営学とは
企業は国民経済の一部として存在し、国民経済はさらに世界経済の一部として成り立っている。それらの変化は企業にとって極めて重大な影響を及ぼす。客観的な状況の変化に対応できなければ、企業は破綻を余儀なくされるのは避けられない。 客観的な情勢の変... -
S社社長の苦悩
S社は、オートバイ部品の加工およびサブアッセンブリーを手がける企業だ。従業員数はおよそ250人。社長は加工技術のエキスパートであり、常に作業着姿で現場に立ち、合理化に取り組んできた。その結果、生産設備や加工技術、同期化編成のいずれにおいても... -
業績悪化の原因はどこにあったか
これとは別に、六カ月分の資金繰り表を作成してもらった。その結果、六カ月間の資金不足額が平均月商に匹敵するほどの規模であることがわかった。この深刻さについては、自分の会社に置き換えて考えれば、容易に想像できるだろう。 金融機関からの借り入れ... -
能率病が会社をつぶす
能率は企業の業績を向上させる強力な手段であることに疑いの余地はない。 戦後、アメリカで発展した能率技法が次々と紹介され、それを導入することで一定の成果が得られたのも事実だ。しかし、その結果として能率の力が過大評価され、限界への理解が欠けた...