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金利から目を放すな
S精機は、抜群の業績を誇る成長著しい中堅企業だ。この会社から学んだことは数え切れない。どれをとっても感心させられるものばかりだが、その中でも特に印象的なのが資金運用だ。資金運用計画をもとに設定された活動基準が非常に厳格に守られている。その... -
一〇年後のバランス・シートが決まっている
D精密は創立から20年にわたり、高い収益性と成長を維持し続けている超優良企業だ。間もなく株式が第二部に上場される見込みである。同社には10年間に及ぶ長期経営計画があり、その中では10年後のバランスシートがすでに設定されている。それだけでも驚きだ... -
計画どおり病
K製作所では、5年計画を策定している。取締役のM氏は、「先のことはわからないから経営計画を立てるのは無駄だ」と考える経営者もいるが、それは間違っていると話す。 例えば、我が社の場合、長期的な賃金の統計を取りグラフ化してみると、ほぼ一定の割合... -
客観情勢の変化をとらえる
Y製作は規模こそ小さいものの、自社製品を持つ独立企業だ。昨年から三年間を見据えた計画を策定するようになり、毎年計画を一年ずつ更新している。今年、新たな三カ年計画を立てるにあたり、昨年度の実績が計画と比較・検証された。 ところが、売上は目標... -
市場の分析から企業の方向を決める
L社を支援した際のことだ。社長と直接会い、会社の現状について話を聞いた。この会社は独自の製品を持ち、驚異的な市場占有率90%を誇っている。 最近、経営合理化を目的にコンサルタントの診断を受けた。その結果、問題点として指摘されたのは人間関係の... -
経営者自らの手で計画せよ
M社から「昨年立てた長期経営計画を全面的に見直さなければならないので診てもらいたい」という依頼があった。やっぱりな、という直感が働き、どの部署が計画を立案したのか尋ねると、企画室だという。案の定だ。計画がうまくいかなかった原因は、経営者自... -
いくらの利益が必要か
利益が「もうけ」とされるのは、あくまで会計学の領域での話だ。経営学の視点では、企業にとって利益とは、成長や発展のために欠かせない「コスト」である。言い換えれば、利益とは会社を前進させるための必要な投資というべきものだ。 個人の生活でも、予... -
成果の達成を指導する
経営計画は、必ず明確な形で文章化する必要がある。文章化されていないものは、経営計画とは言えない。要点を簡潔にまとめることが重要で、冗長な表現は避けるべきだ。 ある会社で目にした経営計画書は、驚くことに100ページもの分厚さだった。その中身と... -
使命感から出発する未来像をもて
企業は何があっても存続させるべきだ。どんな状況でも利益を確保し、事業を継続することが求められる。これは経営者として果たすべき最低限の社会的使命であり、そこで働く人々の生活を守る責任に直結するものだ。 企業は社会に貢献するという使命を背負っ... -
革新の繰り返しこそ生き残る道
収益性の高い製品も、永遠にその状態が続くわけではない。時間の経過とともに収益性は低下し、やがて衰退していく。その衰退のスピードはますます加速していくものだ。 そのため、収益性が落ちた製品を見切り、新たに収益性の高い製品を取り入れ続ける必要...