-
企業経営の厳しさを認識させよ。そこから意識革命が起こる
企業経営は戦争のようなものだ。絶対に勝てる戦争が存在しないのと同じように、永遠に存続する企業などあり得ない。むしろ、企業は放っておけば必ず衰退し、やがて消えていく運命にある。 東京商工リサーチ社の倒産企業調査データを基に、昭和47年から48年... -
間接部門とは何か
直間比率の従来の考え方では、直接部門ではないものを間接部門とするという形で定義している。つまり、直接と間接の区分がこのような定義付けに基づいて行われている。 自分の考えを述べるなら、そのような分類には大した重要性はない。それどころか、むし... -
組織は目標から決まる
F社から講演の依頼を受け、その打ち合わせをしている最中、話題が組織の話に及んだ。F社では、以前にあるコンサルタント団体に依頼して、組織調査を実施したとのことだった。 半年間にわたって詳細な調査が行われ、何度も検討会が開かれた結果、組織変更が... -
あけてびっくり玉手箱
資金繰りが厳しいから家屋敷を売りたいと思っているのに、妻は子供の転校を理由に反対している。どうしたらいいだろうか。K社の社長が経営状況の相談を求めて訪問した際、開口一番に発した言葉だ。 K社のことは、まだ何も知らない。財務分析すらこれから始... -
売掛金がたまって困る
T社は問屋業を営んでおり、社長の頭を悩ませていたのは、売掛金の膨れ上がりだった。問屋間の競争が激化する中、セールスマンたちは小型トラックに商品を積み込み、ドライバー兼営業マンとして活動していた。小売店の店主が店頭で客の対応をしているタイミ... -
資金繰表から決定を下す
T精織の経営計画を立てる際、まず社長の意向を反映させながら年間の利益計画を策定した。内容はかなり意欲的なものだった。 通常の手順であれば、次に資金運用計画を立て、それを利益計画と組み合わせて資金繰り表へ展開する。しかし、設備投資もなく、特... -
資金運用計画から設備投資を
J製作所は、創立から50年以上の歴史を持つ。創業者である初代社長の堅実な経営方針により、利益率はそれほど高くないものの、内部留保は充実している。現在の社長体制においても、業績には特に不安要素は見られない。 しかし、工場の建物は老朽化が進み、... -
勘定あって銭足らず
先日、経理士が提示した決算書を見てみると、前期の利益が予想以上に出ているようだ。しかし、自分としてはそれほど利益が出ている実感がどうしても湧かない。本当にそんなに利益が出ているのなら、資金繰りがもっと楽になっているはずではないか――これがC... -
経営者は資金運用の勉強を
中小企業の経営者が集まる場で、資金繰り表を作成している会社がどれくらいあるのか尋ねた。約20社中、2か月先までの資金繰り表を作っているのはたった1社だけで、他の会社は全く手をつけていなかった。 S銀行のF支店長はこう嘆く。「私たちの仕事はお客様... -
資金運用計画は企業体質強化のため
S社の専務が語った「資金運用計画は、単なる資金運用にとどまらず、経営体質を強化するためのものだ」という言葉は実に的を射ている。この考えを裏付けるいくつかの実例を、本章で取り上げている。 資金運用を単なる資金繰りのような経理業務と捉えること...