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水の中にたらしたインクの色
占有率と存在感の関係 一滴のインクを水に落とす場面を想像してみる。もしそれがプールいっぱいの水に落ちたとしたら、インクの色は全く見えないかもしれない。洗濯機の槽や洗面器に落としても、色がつかないか、ついたとしても非常に淡い程度だ。しかし、... -
占有率のランク
市場占有率は、戦略の効果を測る重要な指標である。戦いとは、自身の戦力と相手の戦力を絶対的および相対的な観点から多角的に分析し、いかにして優位な状況を作り出すかを考える行為だ。その過程で戦略を構築し、作戦を練り、実際の行動に移すことで、勝... -
細分化ということ
前節では市場占有率について触れたが、「具体的に何を対象とした占有率なのか」という疑問が湧いてくるだろう。たとえば、「当社は複数の業界にまたがっているが、業界ごとに占有率の基準が異なる。では、自社の占有率とは何を指すのか」といった問いが生... -
「差別化」ということ
差別化の意義とその必要性 簡潔に言えば、これは「目立たせる」ことであり、「目立つ」ことではない。「紅一点」という状況が自然に生じたものであれば、それは差別化とは呼べない。意図的に作り出された場合こそが「差別化」といえる。 市場競争で販売を... -
ナンバーワンをつくる
占有率を確保するための最も重要な条件は、ナンバー1の地位を築くことだ。ナンバー1のポジションを手にすれば、占有率が30%以下にとどまることはほとんどなく、40%以上に達するケースも多い。 こうなれば、市場でのリーダーシップを完全に掌握することは明... -
一点集中攻略法
一点集中こそが、ナンバーワンを目指す上で最も効果的な戦略だ。たとえ力が弱くとも、むしろ力が弱いからこそ、一点集中の重要性は増す。我が社の力を一つのターゲットに集約することが、ランチェスターの第二法則に忠実に従う道である。 それはまさに、太... -
面攻略法
二点攻略法について、「クスリヒグチ」のチェーン展開が興味深い例として挙げられる。創業当時、樋口社長はチェーン店の目標数を、当時全国に存在した42,700店の薬局の1%、つまり427店と定めた。薬局業界では珍しく、目標に「死に(シニ)」という語呂を... -
どこから攻めるか
「戦い」である以上、勝利に価値が宿る。勝利こそが、企業が生き残るための不可欠な条件だ。 では、勝つためには何が必要なのか。戦いには、強者が勝つという明快な原則が存在する。 この原則は誰もが理解しているにもかかわらず、企業間競争においてこれ... -
テリトリーをどう拡大してゆくか
北陸のある県に拠点を置くオフィス用什器の納入業者F社は、北陸三県に広がる強力な販路を展開し、市場占有率は30%を超えていた。 F社はこの実績を土台に東京への進出を果たした。日本最大の市場であり、激戦地ともいえる東京への挑戦だけに、選りすぐりの... -
供給体勢の整備が先決
流通業者にとって、供給体制の問題は一見するとそれほど大きな課題には見えないかもしれない。仕入れによって商品を調達する以上、製造側の都合に左右されることが少ないように思えるからだ。しかし実際には、製造が追いつかなければそもそも仕入れが成り...