-
資金運用計画を狂わせる要因は何か
本質的に動く勘定科目 資金運用計画において、勘定科目がさまざまな要因で変動しているように見えますが、実際に本質的に動く科目はわずか四つに過ぎません。それは以下の通りです。 経常利益 受取手形 売掛金 棚卸資産 これら四つの科目が、計画表におけ... -
期末バランスシート作成の基礎
資金運用計画の再確認 資金運用計画が完成した段階で、この表を再確認することが重要です。 ここに記載されている数値はすべて期中の増減を示しています。 そのため、期首、すなわち前期末の数値に期中の増減額を加減することで、期末の数値を算出すること... -
転記作業と作成手順
転記作業の難しさ これまで多くの経営者が社長セミナーで転記作業を実習しましたが、誤りなく転記できた人はわずか数名でした。その理由は明確です。正しい方法を教えてもらえる機会がほとんどなく、専門書にも具体的な方法が記載されていないからです。 ... -
損益計算書との連携と誤りの検証
損益計算書とバランスシートの関係 損益計算書には、経常利益の次に「特別利益」と「特別損失」といった項目が記載されています。 これらは税法上の基準で定められたものであり、実際の取引や資金収支とは直接的な関係がありません。ただの帳簿上の数字に... -
バランスシートの意義と未来志向の運用設計
バランスシートの重要性 バランスシートは、事業経営の成果を一枚の表に凝縮したものであり、経営者の手腕が評価される重要な指標です。 しかし、バランスシートは単なる事業の結果ではなく、経営者の明確な意思に基づいて意図的に構築されるべきものです... -
財務分析の実践的アプローチ:効果的な財務分析のポイント
財務分析における実践的なアプローチを紹介します。 効果的な財務分析では、単に多くの指標を並べるのではなく、重要なポイントを簡潔にまとめ、分析の焦点を明確にすることが求められます。このようなアプローチこそ、真に実用的な洞察を得るための鍵とな... -
固定資金の重要性と余裕確保の具体策
固定資金の重要性 事業運営において、まず最優先で取り組むべきは固定資金の確保です。 この「固定資金の余裕」は、資金運用の基盤であり、事業経営の安定性を支える重要な要素です。 利益はこの基盤を支える土台ですが、固定資金が不足している場合、経営... -
設備投資と資金運用のリスク
設備投資に伴う資金運用のリスクは、長期借入金の返済という形で顕在化します。 これは過去の設備投資の「後始末」ともいえるものであり、もし放漫な設備投資が行われていた場合、その返済負担は長期にわたり固定資金の使途として重くのしかかります。 こ... -
経営計画で明らかになる資金運用の全体像
N社で経営計画の立案をサポートした際のエピソードは、資金運用計画の重要性を象徴する事例です。 このN社は、長期間にわたって高収益を維持してきた優良企業であり、経営計画も非常に意欲的な内容で、積極的な設備投資を前提としていました。 計画が進む... -
固定資金余裕を確保するための長期的視点
固定資金の源泉を考える際に、最も重要でありながら、不安定な要素が「当期経常利益」です。経常利益が利益計画の目標額を下回ると、その不足分だけ固定資金の余裕が減少します。 この減少は運転資金の源泉にも影響を及ぼし、資金不足の一因となることがあ...