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人は変わる。今この瞬間の意志を信じて向き合う
孔子のもとに、「評判の悪い村(互郷)」から、ある童子(子ども)が教えを乞いに訪れた。その村は「話すに値しない」とまで言われていた場所であり、門人たちはその子を受け入れてよいか迷った。しかし孔子は言った――「人が前に進もうとしているならば、... -
創造の前に、学びと選択がある
孔子は、「学ばずに独自に創作する者もいるかもしれないが、私はそうではない」と明言する。彼は、多くのことを聞き、見て、その中から善きものを選び、心に留め、行動に移すことこそが正しいと考えた。孔子の学びの姿勢は、無から何かを生み出す“天才”の... -
手段が正しくなければ、成果もまた正しいとは言えない
孔子は、自然や生き物に対しても、節度と道理をもって接した。魚を獲るときは、必要な分だけを釣りで得るのであって、網を使って根こそぎ捕らえるような貪欲なやり方はしなかった。また、鳥を捕まえるときも、空を飛ぶ鳥には矢を放つが、巣に宿って無防備... -
変わらぬ志と誠実な姿勢こそ、本物の生き方
孔子は、「聖人」に出会うことは難しいと言い、それゆえに「君子(人格ある立派な人)」に会えることを喜びとした。さらに言う――「善人ですら今の世では得がたい。だから私は、“恒心(こうしん)”、つまり変わらぬ心を持つ人に出会うとうれしく思うのだ」... -
人として大切な四つの柱を学び、実践する
孔子が弟子たちに教えたのは、単なる知識や技巧ではなかった。彼が特に重視したのは、次の四つの徳目である: 文(ぶん):古典や歴史から学ぶ知識と文化。 行(こう):道徳的な行動、実践を通じた徳の発揮。 忠(ちゅう):誠実な心、自分に対して真っ直... -
隠さず、惜しまず、すべてを出し切って教えることが誠意
孔子は、弟子たちの一部が「先生は何かを隠して教えていないのでは」と思っていたことを知り、こう語った。「お前たちは、私が何かを隠していると思っているのか? 私は何一つ隠してはいない。行うことはすべて、君たちとともにやってきた。私がどういう... -
天命に生きる者は、何ものにも揺るがない
孔子は、自分の生き方に対する揺るぎない信念と天命への自覚をもっていた。宋の国で、孔子の活動を妨げようとした軍務大臣・桓魋(かんたい)が命を狙ったとき、孔子は動じることなくこう言った――「天が私に道徳を世に広める使命を与えたのであれば、桓魋... -
他人はすべて、自分を磨く鏡となる
孔子は、「三人で行動すれば、必ずその中に自分の師とすべき人がいる」と語った。それは、誰かが善い行いをしていれば、それを素直に見習い、誰かが誤ったふるまいをしていれば、それを鏡として自分の中にも同じ欠点がないかを省みるという意味である。つ... -
確かでないことは語らず、誠実な言葉を大切にする
孔子は、どれほど博識であっても、怪奇な現象、超常的な力、秩序を乱す行為、神秘的な宗教現象については、ほとんど語らなかった。それは、単に迷信や俗信を避けたというだけでなく、人としての思考と行動は、確かに理解できるものをもとに築くべきだとい... -
賢さは天性ではなく、学び続ける意志の賜物
孔子は、周囲の誤解に対して、謙虚かつ明快に語った。「私は決して、生まれつき何でも知っているような人間ではない。ただ、古典や歴史に強く惹かれ、休むことなく一生懸命に学び続けてきただけなのだ」と。つまり、孔子の知は天から与えられた特別なもの...