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思いが真剣なら、距離なんて超えていける
孔子はある日、古い詩を口ずさみながら、こう語った。 その詩とは、**『詩経』**にある一節: 「唐棣(すもも)の花が風に揺れている。あなたを思っているけれども、家が遠いから会いに行けないのだ」 この詩を聞いた孔子は、その言い訳がましさに対して、... -
一緒に学んでも、最後まで同じ道を歩めるとは限らない
孔子は、人との関わりにおける**「共にあることの難しさ」**について、次のように語った。 「共に学ぶことはできても、必ずしも共に道を歩めるわけではない。共に道を歩むことができても、必ずしも一緒に立って信念を貫けるわけではない。一緒に立てたとし... -
知・仁・勇を備えた人は、迷わず、悩まず、恐れない
孔子は、人として備えるべき三つの徳について、明快にこう語った。 「知者(ちしゃ)は迷わず、仁者(じんしゃ)は憂えず、勇者(ゆうしゃ)は恐れず。」 これは、知恵・思いやり・勇気という三つの力を磨くことによって、人は心の安定と強さを手にするこ... -
本当に強いものは、冬になって初めてわかる
孔子は、人の真価について、自然のたとえを用いてこう語った。 「寒さが厳しくなってきて初めて、他の木々が葉を落とす中で、松や柏(かしわ/かや)が最後まで葉を落とさないことがわかる」 つまり、気候が良い時にはどの木も青々として見えるが、本当に... -
比べるより、学びつづける姿勢が人を深くする
孔子は、高弟・子路(しろう)の人柄について、こう語った。 「すり切れた綿入りの粗末な衣を着ていても、上等な狐やむじな(高級毛皮)を身にまとう者と並んで立っていて、恥ずかしがることがないのは、由(子路)だろう」 そして、『詩経』の一節を引用... -
志ある者は、誰にも心を奪われない
孔子は、**人間の「志=こころざし」**について、次のように力強く語った。 「三軍(さんぐん)——すなわち大軍の指揮官すら、戦いにおいては奪われることがある。だが、たとえただ一人の人間であっても、その“志”は、他人が奪おうとしても決して奪えるもの... -
自分に都合よく生きず、誤りを知ればすぐに正す
孔子は、人間関係と自己改善の基本についてこう語った。 「人とのつき合いでは、まず**忠(まごころ)と信(誠実さ)**を大切にせねばならない。また、自分より劣る者だけを選んで友とするようなことがあってはならない。 そして、もし自分に過ちがあった... -
「はい」と言うだけでは、何も変わらない
孔子は、人が忠告や助言をどう受け止めるかについて、次のように語った。 「筋の通った正しい言葉(=法語)に出会ったとき、『はい、わかりました』と従うことは難しくない。でも、本当に大事なのは、そこから自分を改めることだ。 また、優しく穏やかな... -
若い人には未来がある。だが、成果を出さねば意味はない
孔子は、自分より後に生まれた若い世代について、こう語った。 「後に生まれる者は、畏(おそ)るべき存在だ。彼らの未来が、今の我々より劣っているとなぜ言えるだろうか。だが、もし四十歳、五十歳になっても世に知られるほどの成果がなければ、それはも... -
芽が出ても、実を結ばなければ意味がない
孔子は、成長や努力の“途中で満足してしまう危うさ”についてこう語った。 「苗(なえ)までは育っても、穂(ほ)を出さない者もいる。穂を出しても、実を結ばない者もいる。つまり、若いときだけ目立っても、それだけでは本物とは言えないのだ」 これは、...