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立場を得たなら、倦まず励み、まごころを尽くせ
主旨の要約 子張が政治における心がまえを尋ねたところ、孔子は「その職に就いたならば飽きずに努め、誠実に尽くすことが肝要である」と答えた。地位や役割に甘んじず、熱意とまごころをもって行動することが、政治の徳である。 解説 この章句は、政治や公... -
裁くより、争いのない世をつくることが理想である
主旨の要約 孔子は、「訴訟を審理し判決を下すことは自分にもできる」としながらも、本当に目指すのは「訴訟そのものが存在しない社会」を築くことだと語った。人が争わずに済むような道徳と秩序のある世を志す、それが孔子の政治観の核心である。 解説 こ... -
小欲を去り、大欲を抱く――志こそ、人を動かす真のエネルギー
小欲を捨て、大欲に生きる - 私たちは何のために働くのか? 「小欲を去りて大道に従う」――これは、古代中国の英主・唐の太宗が重んじた信念でもある。 ◆ 小欲とは何か? 小欲(しょうよく)とは、目先の利益や快楽、自分だけの損得に基づく欲望を指します... -
成長とは、仁に至るための自己修養であり、他者のために自分を高め続けることである。
**「論語的に見ると、なぜ“成長”しなければならないのか?」**というテーマは、単に自己啓発的な成長ではなく、人としてどう生きるべきかという道徳的・哲学的な文脈から理解する必要があります。 論語の中で、「成長」に直接あたる言葉はあまり使われてい... -
誠実さは自分の徳であり、相手の器ではないー尊敬できない上司であっても誠実であるべき理由
「実力がない上司に対しても誠実であるべきか」という問いは、ビジネスにおける倫理・人間関係・戦略的対応の三つの観点から考える必要があります。以下に、孔子の思想と現代ビジネスの現実を踏まえて多面的にお答えいたします。 1. 孔子の視点:「誠実さ... -
裁きに必要なのは、誠実・迅速・一貫した判断である
主旨の要約 孔子は、訴訟のような争いごとを「一言で決着をつけ、当事者を納得させられる人物」として、弟子の子路を挙げた。子路の誠実で迅速な態度、そして約束を決して先延ばしにしない実行力は、公平な判断に必要な徳である。 解説 この章句は、訴訟や... -
名にふさわしいふるまいが、秩序と信頼をつくる
主旨の要約 斉の景公が政治について孔子に問うと、孔子は「君主は君主らしく、家臣は家臣らしく、父は父らしく、子は子らしく、その本分を尽くすことが要である」と答えた。これは景公の放蕩ぶりと政の乱れを暗に戒めたものであるが、景公はこれを自己利益... -
まごころと信義を土台に、道理をもって迷いを超える
主旨の要約 子張が「徳を高め、心の迷いをなくすにはどうすればよいか」と問うたところ、孔子は「忠(まごころ)と信(信義)を第一にして、義(正しい道理)に従うことで徳を高められる」と答えた。そして、同じ人に対して愛憎によって死生の願望を変える... -
民が潤えば、君も潤う。政治の本質は民を先に立てること
主旨の要約 魯の哀公が凶作による財政難を嘆いた際、家臣の有若は「税を軽くせよ」と進言した。哀公が驚いたところ、有若は「民が豊かであれば君主もまた豊かになる。民が貧しければ、君主が豊かになる道理はない」と述べた。政治の根本は、まず民の暮らし... -
中身も外見も、共に備わってこそ君子である
主旨の要約 衛の大夫・棘子成が「君子に必要なのは中身(実質)だけであり、外面の飾りは要らない」と語ったのに対し、子貢は「中身と外面(礼儀や教養)は一体であり、両方があってこそ真の君子である」と反論した。形を整えることは、内面を映す鏡であり...