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学びを通じて交わる友こそ、仁を育てる力になる
主旨の要約 曾子は、「君子は文(学問)を通じて友と交わり、その友情を通じて仁(思いやり・人格)を高める」と語った。真の友人とは、単なる交遊相手ではなく、互いに学び合い、徳を磨き合う関係である。 解説 この章句は、**友人関係と学び、そして人と... -
友のための忠告は、誠を尽くしつつ、引き際も心得よ
主旨の要約 子貢が友人との関わり方について尋ねたところ、孔子は「まごころをもって忠告すべきだが、相手が受け入れないようであれば無理に押し続けてはいけない。しつこく言い過ぎると、自らの恥となることもある」と教えた。忠告とは、相手の心を思いや... -
上に立つ者の徳が、社会全体を正す力となる
主旨の要約 樊遅が「仁」と「知」について尋ねた際、孔子は「仁とは人を愛すること」「知とは人を知ること」と簡潔に答えた。そして、直ちに理解できなかった樊遅に、孔子は「正しい人を引き立て、曲がった人の上に据えると、悪も正される」と説いた。これ... -
義を先にし、利を後にすれば、徳は高まる
主旨の要約 弟子の樊遅が、徳を高め悪を取り除き迷いを解く方法を尋ねたところ、孔子は「やるべきことを優先し、利益は後回しにすること」「自分の過ちを省みて、他人を責めないこと」「一時の怒りで身を滅ぼし、親をも巻き込むような愚行を慎むこと」が、... -
名声より中身。達人とは、内に徳を備えた人のこと
主旨の要約 子張が「道を志す者は、どのようになれば“達人”と呼ばれるのか」と尋ねると、孔子は、単に世に名が知られている人を「達人」とは呼ばないと明言した。達人とは、義を重んじ、人をよく観察し、謙虚に人に接することができる者のことだと語った。... -
上に徳あれば、下はこれになびく。殺すより、導く政治を
主旨の要約 季康子が「悪人を殺して善人だけの国にしてはどうか」と問うと、孔子は「政治に殺しは不要。為政者が善を求めて実践すれば、民もそれにならう」と答えた。そして、上に立つ者の徳は風のように、民は草のように、自然と従うものだと説いた。 解... -
私利を求めぬ政治が、社会の乱れを正す
主旨の要約 季康子が、魯の国に盗賊や反乱が多いことを悩んで孔子に相談したところ、孔子は「もしあなたが私欲を捨てていれば、人々はたとえ報酬を与えられても盗みなどしない」と答えた。為政者の欲が民の乱れを生むという、根本的な政治哲学が示されてい... -
政治とは、自ら正しくあろうとすることから始まる
主旨の要約 魯の大夫・季康子が政治について孔子に尋ねたとき、孔子は「政治とは“正(ただ)しさ”である」と答えた。そして、為政者であるあなた自身が正しくふるまえば、誰もがそれに倣い、社会全体が正しくなると説いた。 解説 この章句では、**政治(政... -
君子は他人の美を育て、悪には加担しない
主旨の要約 孔子は、君子とは他人の長所や美点を見つけ、それを育てたり支えたりする存在であると説く。一方で、小人は他人の欠点や失敗ばかりを見つけ出し、悪い噂を喜ぶという。君子の徳は「称賛と支援」、小人の性は「非難と妨害」にある。 解説 この章... -
学んで実践し、礼をもって己を律すれば、道を踏み外さない
主旨の要約 孔子は、「広く学び、その学びを礼によって実践すれば、人生において道を踏み外すことはない」と説いた。知識は実践を伴って初めて意味を持ち、礼によって身を整えることが、人としての正道を保つ鍵である。 解説 この章句では、孔子が「知」と...