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組織の継続は、トップの徳より現場の人材
――凡庸なリーダーでも、適材適所が機能すれば体制は維持される 孔子が、衛(えい)の君主**霊公(れいこう)の無道(むどう)ぶり――政治の乱れ、私生活のだらしなさなどについて語っていたところ、魯(ろ)の重臣季康子(きこうし)**が疑問を投げかけまし... -
自分の地位を脅かすことを恐れず、有能な者を引き立てる
――真のリーダーとは、人を見抜き、公平に登用できる人である 孔子は、衛(えい)の大夫である**公叔文子(こうしゅくぶんし)**の行動を聞いて、こう賞賛しました。 文子は自らの家臣であった**僎(せん)**という人物を、朝廷の場で自分と同じ大夫の位に... -
小さな忠義よりも、天下を安んずる大きな仁
――仁とは、個人の節義にとどまらず、社会全体を照らす徳である 弟子の**子貢(しこう)**が、師の孔子に問うた。 「管仲(かんちゅう)は仁者と言えるでしょうか?桓公が兄・公子糾を殺した際、彼は殉死せず、むしろその桓公に仕えて宰相になりました。」 ... -
忠義だけが“仁”ではない。大義のために生きる仁もある
――仁は一面では測れない。視野の広さがその価値を決める 弟子の**子路(しろ)**が孔子にこう尋ねた。 「斉の桓公(かんこう)は、兄弟の**公子糾(こうしきゅう)を殺し、その忠臣召忽(しょうこつ)は殉死しました。しかし、同じく仕えていた管仲(かん... -
謀略よりも、正道に立ってこそ真の覇者
――力をふるうなら、まず徳を立てよ 孔子は、春秋時代の代表的な覇者である**晋の文公(ぶんこう)と斉の桓公(かんこう)**の両者を比較し、こう語った。 「晋の文公は謀(はかりごと)をもって覇を成したが、正道に則ってはいなかった。斉の桓公は正道に... -
言葉が控えめでも、態度に強引さがあれば信はない
――本心が行動に表れていなければ、言葉は信じられない 孔子は、魯(ろ)の大夫である**臧武仲(ぞうぶちゅう)**のある行動について、疑問を投げかけた。 臧武仲は、他の大夫のざん言によって罪を問われ、自らの領地「防(ぼう)」から退いていたが、後に... -
評判は真実の一面、だがすべてではない
――人の評価には慎重であれ。見て、聞いて、考えて判断せよ ある日、孔子は衛(えい)の人物である**公叔文子(こうしゅくぶんし)**について、同じく衛の人・**公明賈(こうめいか)**に尋ねた。 「彼は言わず、笑わず、物を取らずというのは本当か?」 す... -
完成された人格は、徳・才・礼が調和してこそ
――理想は高く、現実には誠実に生きることが“成人”への道 弟子の子路(しろ)が「成人(せいじん)」――つまり完成された人格者とはどういう人かを問うと、孔子はまず理想像を示した。 「臧武仲(ぞうぶちゅう)の知恵、孟公綽(もうこうしゃく)の無欲、卞... -
人にはそれぞれの“器”がある
――人格と能力は別物であり、役割には適材がある 孔子は、魯の人物・**孟公綽(もうこうしゃく)**についてこう評した。 「孟公綽は、趙(ちょう)や魏(ぎ)といった大家の“老”(家老・顧問)としては申し分ない。しかし、小国の大夫(政治を担う実務家)... -
貧しさの中で心を保つことこそ、最も難しい
――境遇ではなく心で決まる、真の徳の深さ 孔子は、人の心と生活環境との関係について、鋭くこう語った。 「貧(まず)しくして怨(うら)みなきは難(かた)く、富(と)みて驕(おご)るなきは易(やす)し。」 これは、次のような意味である: 貧しさに...