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天の恵みは、己のためにではなく、世のために使うもの
天がある人に特別な「才能」を授けるのは、その人を通じて多くの人の愚を啓き、導くためである。すなわち、それは世の中をよりよくするための「使命」なのだ。 しかし現実には、その才能を自分の優越感のために使い、人の欠点を暴き、見下す材料としてしま... -
真の理解は、身体が踊り、心が溶け合うときに訪れる
書物を読むとき、その内容が自分の心に真に響き、血肉となる瞬間がある。そんなとき、人は思わず手を舞わせ、足を踏みならすほどの喜びに包まれる。それは、文字の表層的な解釈や枝葉末節にとらわれる段階を超えた、「魂での理解」の証である。 また、物事... -
感情に乗じた軽率は、必ず後悔を招く
気分が高揚しているときや、物事がうまく進んでいるときこそ、人は判断を誤りやすくなる。だからこそ、次のような「軽率な心の動きと行動」を戒めることが大切である。 嬉しさに乗じて、軽々しく約束してはならない。 その場の勢いで交わした承諾は、後に... -
悩む前に思い出したい──下を見て感謝し、上を見て奮起せよ
物事が少しでも思い通りに進まないとき、人はすぐに不満や悩みを抱きがちである。しかし、そのときこそ、自分よりはるかに厳しい状況でも前向きに努力している人を思い出すと良い。すると、自分の悩みが実は「ぜいたくな不満」であったことに気づかされる... -
比べることで見えてくる、自分の恵まれた立場と本来の力
物事が思うようにいかず、不満や悩みが湧いてくるとき――そのときは、自分よりももっと困難な状況で努力を続けている人の姿を思い浮かべてみると良い。すると、自分の悩みが実は恵まれた条件の中での「ぜいたくな悩み」だったと気づき、自然と心が落ち着く... -
畏敬の念が人を高め、敬意が人との関係を豊かにする
真に立派な人物を前にしたとき、その偉大さを素直に認めて「畏敬の念」を抱くこと。これが、自らの気持ちの緩みや傲慢さを抑え、さらに成長するための土台となる。 また、立派な人だけでなく、ごく普通の人々――つまり「小民」に対しても、敬意をもって接す... -
和やかな心と謙虚な姿勢が、人を遠ざけない
節操を重んじ、義を貫く人ほど、ともすれば他人の言動に厳しくなりがちである。そのような人は、心の中から打ち解ける「和衷」の姿勢を持つことで、他人との衝突や怒りの争いを避けることができる。 また、名声や功績を強く求める人は、その志が高じて、知... -
信念・見地・決断──三つの軸で己を守る
人生には、逆風や嵐のように困難が襲いかかるときがある。そのときに必要なのは、大地にしっかりと脚を踏みしめるような「強い信念」である。 一方、華やかな花が咲き誇り、美しい柳が風に揺れるように、魅惑的なものや誘惑に囲まれるときもある。そのよう... -
人を使うにも、付き合うにも「選び」が必要
人を用いるときには、あまりにも厳しく冷たい態度をとってはならない。そうした扱いを受ければ、真面目で努力を惜しまない人こそが心を閉ざし、やがて離れてしまう。つまり、厳しさの度が過ぎれば、有能な人材を失うことになるのだ。 また、友人との交際に... -
穏やかな心が、幸福を呼び寄せる
性格がせっかちで、心が粗雑な人は、焦りや雑念に振り回され、どんなこともうまく成し遂げることができない。反対に、心が和らぎ、気持ちが静かで落ち着いている人には、自然と良き出来事が寄ってくる。 心が整っていれば、判断は的確になり、行動には余裕...