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第十章 魏徴の正諫は明鏡のごとし
この章では、太宗が自らの政治姿勢と魏徴の進言について語った言葉が中心です。特に、「自分を知ることの難しさ」と、「魏徴の進言が自分を映す明鏡のようである」という比喩が印象的です。リーダーにとっての自己認識の難しさと、進言を受け入れる度量の... -
第九章 人の才覚はそれぞれ異なる
この章では、「なぜ官僚たちは諫言しないのか?」という太宗の率直な問いかけに対し、魏徴が実に洞察に満ちた回答を行い、太宗が深く理解を示す様子が描かれます。これは進言文化の難しさと、それを乗り越えるためのリーダーシップのあり方に関する非常に... -
第八章 このごろの臣下はビビッている
この章では、君主が臣下にどう向き合うべきか、諫言を促すための心構えとは何かを、太宗が深く自省的に語っています。タイトルにもあるように、臣下たちが皇帝の前で萎縮している様子を見て、太宗は深い懸念を抱いているのです。 1. 太宗の「静坐内省」 章... -
第七章 斉の管仲と晋の勃鞮の故事
この章では、忠誠と信義、過去の怨恨を越えた用人の道を主題に、太宗が臣下・韋挺の諫言を称えた書簡が紹介されます。太宗は、韋挺の諫言を受け入れるにあたり、中国古代の名君・名臣の逸話を引いて説得力を持たせ、自身の政治理念を語るという高い政治的... -
第六章 逆鱗に触れるを厭わず
この章では、太宗が忠臣の「諫言(かんげん)」こそ国家安泰の礎であると評価し、それを恐れず実行した臣下たちに心からの感謝と報奨を与えた姿が描かれています。主題は、「逆鱗に触れることを厭わない勇気」と、それを受け止める君主の度量です。 「逆鱗... -
第五章 人の忠告には耳を傾けろ
この章では、太宗が君主としての自己抑制の重要性と、臣下との健全な関係の在り方を説いています。単に「忠言を受け入れよ」という姿勢にとどまらず、**「忠言を受け入れられない者が、他人を諫める資格はない」**とまで述べることで、強い道徳的メッセー... -
第四章 上奏文を壁に貼る
この章では、唐の太宗が国政にいかに真摯に向き合っていたかを象徴的に示すエピソードが語られます。上奏文を単なる行政文書として処理するのではなく、日常的に目に入る場所に掲げて常に思考し、深夜まで政治の在り方を考え続けていたという逸話から、太... -
第三章 隋の虞世基は煬帝とともに死ぬべきだったか
この章では、唐の太宗が隋末の宰相・虞世基の行動をどう評価すべきかを問う形で、忠臣のあり方と進言の重要性を深く掘り下げています。太宗と重臣・杜如晦の対話を通じて、「忠臣とは何か」「諫言しなかった者に責任はあるのか」といった倫理的・政治的問... -
第二章 国政には諫め役も同席
この章では、唐の太宗が、健全な政治の実現には君主と臣下の調和が不可欠であること、またそのために「諫め役(かんやく)」の存在が重要であると認識していた姿が描かれています。太宗の謙虚な姿勢と、それに応える忠臣たちの誠実な言動が、理想的な政治... -
第一章 忠言を聞くに表情を和らげる
この章では、太宗のリーダーシップと、その治政における誠実さ、また忠告を受け入れる態度について語られています。太宗はその威厳ある容姿が影響して、官僚たちが自分に意見を進言する際に緊張し、適切に話せないことに気づきます。それに対して、彼は意...