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揺るがぬ心で、すべての幸福を自らの喜びとせよ

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■引用原文(日本語訳)

「感官の群を制御して、一切に対して平等に考え、万物の幸福を喜ぶ人々も、他ならぬ私に達する。」
(『バガヴァッド・ギーター』第12章 第4節)

■逐語訳

五感を制し(インドリヤ・サンヤマ)、
すべての存在を平等に見(サマ・ブッディ)、
あらゆる生き物の幸福を喜び(サルヴァブータ・ヒタ・ラタ)、
そのように心を保つ者もまた、確実に私に到達する(マーム・エーヴァ・ヤンティ)。

■用語解説

  • 感官の群(インドリヤ):視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚といった五感、または欲望に向かう心の働き。
  • 制御する(サンヤマ):感覚に支配されず、自律的に心を律すること。
  • 一切に平等(サマ・ブッディ):好き嫌い、損得、立場や違いを越えて、あらゆる存在を等しく見る姿勢。
  • 万物の幸福を喜ぶ(サルヴァブータ・ヒタ・ラタ):「他者の幸福が自己の喜び」となるような利他的態度。
  • 私に達する(マーム・エーヴァ・ヤンティ):神(主)と一体となる、悟りの境地に至ること。

■全体の現代語訳(まとめ)

五感を制し、欲望や感情に振り回されることなく、すべての人や存在を等しく尊重し、他者の幸福を心から喜ぶような人物も、必ず神のもとに至る――とクリシュナは語る。

■解釈と現代的意義

この節は、ヨーガの完成は愛と集中の道だけでなく、自律・平等観・利他の実践によっても達成されることを明らかにしています。

つまり、神(真理)に至る方法は一つではなく、「感情に流されず、他者に喜びを見い出し、すべての存在を平等に扱うこと」もまた、悟りに通じる道なのです。現代の言葉で言えば、「公平で、自己管理ができて、共感力のある人間」が高い精神性を持つということでもあります。

■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
感情の自己制御感情に飲み込まれず、冷静に判断するリーダーは、信頼される。特にクレーム対応や交渉の場面で重要。
平等な人間観部下や取引先を立場や利益で差別せず、公平に接する姿勢が、長期的な信頼関係を生む。
利他性の実践自社だけでなく、顧客や社会全体の幸福を追求する姿勢が、ブランド力・サステナビリティを支える。

■心得まとめ

「揺るがぬ心と利他の喜びが、真の成功を導く」
見返りを求めず、感情に左右されず、すべての人の幸福を自分の喜びとする――そのような生き方は、神聖な境地に通じている。
ビジネスにおいても、自己管理、フェアネス、利他性こそが、最終的に最も強い影響力をもたらす。「すべての幸せを自らの使命とせよ」――それが、この節から得られる黄金律です。

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