目次
📖 引用原文(日本語訳)
五*
ひとは、信仰によって激流を渡り、
つとめはげむことによって海を渡る。
勤勉によって苦しみを捨て、
明らかな知慧によって全く清らかとなる。
📝 逐語訳
- **信仰(シュラッダー)**が、人生の困難という激しい流れを越える「舟」となる。
- **努め励む(ヴィヤーヤマ)**ことが、より広く深い海を渡る「推進力」となる。
- **勤勉(ウッシャーハ)**こそが、苦しみを手放す「鍵」であり、
- 明らかな智慧(プラジュニャー)によって、人は内外ともに清らかな境地に至る。
🧩 用語解説
- 信仰(シュラッダー):
揺るぎない心の支柱。信念を持つことで困難に折れずに進む内なる力。 - 努め励む(精進):
成すべきことを継続し、怠らず取り組む姿勢。日々の行為の蓄積。 - 勤勉:
一過性でなく、長くコツコツと積み上げる努力。安易に諦めないこと。 - 明らかな知慧(プラジュニャー):
曇りなき認識。何が本質で、何が一時的かを見極める心の目。 - 全く清らか(シュッダ):
執着・無知・迷いから解き放たれた純粋な状態。精神的な浄化。
💡 全体の現代語訳(まとめ)
人生という流れの中で、
信仰は激しい川を越える舟となり、
努力は広い海を渡るための力となる。
勤勉さが苦しみを取り去り、
明らかな智慧が人の心を純粋にする。
🔍 解釈と現代的意義
この節は、人生に立ちはだかる困難に打ち克つための4つの徳を提示しています。
- 信仰(精神の礎)
- 精進(不断の行為)
- 勤勉(継続の力)
- 智慧(方向性と判断)
現代社会では、成果主義や即効性ばかりが重視される風潮がありますが、
**本当の力とは「内に備えた静かな資質」**にあり、
それこそが人生を確かなものにするという、普遍の真理が説かれています。
🏢 ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 適用例 |
---|---|
信念とビジョンの力 | 社会や顧客への使命感を持つことで、困難な時にも方向を見失わず進み続けられる。 |
行動の継続性(精進) | 計画や戦略だけでなく、地道な行動の反復こそが組織や個人の成果に繋がる。 |
習慣化・勤勉の重要性 | 早朝の勉強、日報、振り返りなど、小さなことの積み重ねが大きな成果を生む。 |
判断の質(智慧) | 情報過多な時代において、「何に力を注ぐか」を選べる洞察力が、成果を左右する。 |
✨ 心得まとめ
「信じる者は道を見いだし、勤しむ者は海を越える」
苦しみを超え、清らかに生きるために、
人には信仰・精進・勤勉・智慧の4つが必要である。
バガヴァッド・ギーターが示すこの道は、
現代の仕事と人生においても揺るがぬ真理である。
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