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まず己を整えよ、他人はそのあとに従う


■ 引用原文(日本語訳)

先ず自己を正しくととのえ、次いで他人に教えよ。
賢明な人は煩わされ悩むことが無いであろうから。
――『ダンマパダ』第7節(七*)


■ 逐語訳と用語解説

  • 先ず自己を正しくととのえ:自らの言動・心・姿勢を調え、まずは己の模範を示すことが第一。
  • 次いで他人に教えよ:整った自己に基づいて、他人に導きや教えを与えることが自然な順序である。
  • 賢明な人(パンディタ):内省的で知恵を持ち、心を制御できる人。自己と他者の関係をよく理解している。
  • 煩わされ悩むことが無い:不必要にトラブルに巻き込まれることなく、安定した心持ちでいられる。

■ 全体の現代語訳(まとめ)

「まずは自らをしっかりと調えなさい。そしてそれができたのなら、人に教えなさい。そうすれば、賢明な者は自分も他人も悩ませることなく、落ち着いて生きられるようになる。」

この句は、「教育や指導の前提には、自己完成がある」ということを説くと同時に、「自己を調えることで、無用な苦しみを避ける」ことも教えています。


■ 解釈と現代的意義

この章句は、現代の教育・ビジネス・家庭・社会活動におけるあらゆるリーダーに向けた警句です。
指導・発信・アドバイスをする前に、「自分が整っているか」を問う視座を持つことは、今日のリーダーシップにおいて極めて重要です。

また、自らが模範となって行動する人は、他人からの反発や摩擦に悩まされにくくなるという教訓も含まれており、対人関係や組織運営においても応用可能です。


■ ビジネスにおける解釈と適用

領域適用例
リーダーシップ上司が率先して整った行動をとれば、部下は自然と従い、混乱や衝突も少なくなる。
チーム運営自己管理ができている人は、メンバーに過干渉せずに効果的なフィードバックを与えられる。
教育・OJT自分が未熟なまま他人に教えると、信用を失い、摩擦が起こる。まずは学ぶ姿勢を持つことが大事。
メンタルの安定自己整備ができている人は、他人の行動に過剰に振り回されず、心が安定している。

■ 感興のことば(心得まとめ)

「整ってこそ、教える資格が生まれる」

自らの心・言動をまず正し、それから人に語れ。
賢者は自己の模範によって周囲を導き、
無用な悩みに心を乱されることなく、平穏に歩み続ける。


この句は、リーダーの心得・指導者の在り方を説いた名言でもあります。

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