君子たる者の心は、青空のように澄みきっており、誰が見てもその誠実さがわかるもの。
だが、自らの才能や才覚は、人にひけらかすものではない。
宝玉を布に包み、箱にしまっておくように、才華はむしろ目立たぬように秘めておくべきだ。
心は透明に、才能は慎ましく――それが本当の品格ある人の姿である。
「君子(くんし)の心事(しんじ)は、天(てん)青(あお)く日(ひ)白(しろ)く、
人(ひと)をして知らざらしむべからず。
君子の才華(さいか)は、玉(たま)韞(つつ)み珠(たま)蔵(かく)し、
人をして知り易(やす)からしむべからず。」
注釈:
- 心事(しんじ)…心のあり方、内面の誠実さ。誰から見ても偽りのない様子。
- 才華(さいか)…才能・知恵・優れた能力。内に秘めた輝き。
- 玉韞め珠蔵し(たまつつみたまかくし)…美しい宝玉や真珠を包んで隠す。見せびらかさず控えめにする意。
- 「不可人不知」…人に知られないようではなく、むしろ人が自然に感じ取れるようにしておくこと。
- 「不可人易知」…人が容易に気づいてしまうような、あからさまな才能のひけらかしは慎むべきこと。
コメント