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小さき自己を超えて、宇宙とひとつになる(ブラフマン)

夜空に広がる星々は、果てしない宇宙の一部にすぎない。
秩序なく散らばっているように見えるそれらは、実のところ、緻密なリズムに従い、絶え間なく巡っている。
太陽が昇り、沈み、月が満ち欠けし、星が軌道を描く。
その一つひとつが、見えざる法則に支えられ、動かされている。

この見えざる力こそが「ブラフマン」である。
それは、宇宙全体に満ちる根本的な意識であり、すべての存在を貫く命の原理である。

一方、「アートマン」は、私たち一人ひとりの中に宿る意識の源。
呼吸をし、思考し、判断し、生きているという実感の背後に、アートマンが息づいている。

そして、このアートマンとブラフマンは、本質的に同一であるとインド哲学は説く。
人間の内なる真理と、宇宙の根源的真理は、分かたれていない。
外に広がる星の運行と、内に響く心の動きが、ともに一つの原理のあらわれであると知るとき、
人は初めて、自らの小さき視野を超えて、世界全体とつながる感覚を得る。

私たちは、ただ「個」で生きているのではない。
内なる静けさに耳を澄まし、宇宙と一つであるという理解を深めるとき、
行いも、言葉も、思いも、より大いなる調和の中で響き始める。

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