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理を知る者が、争いを止める者となれ


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📜 引用原文

第一四章 憎しみ 八
「他の人々はことわりを識っていない。われわれはここに努力しよう。
ここでことわりを識った人々には、争いが止む。」
— 『ダンマパダ』


🔍 逐語訳

他の人々は、道理(ことわり/真理)を知らない。
だからこそ、私たちはここで努力しよう。
もし、ここにおいて道理を理解する者がいれば、
その者たちには、争いが自然と止むのである。


🧩 用語解説

  • ことわり(理):仏教で言う「法(ダルマ)」=因果・無常・慈悲・非暴力など、真実の法則。
  • 識る(しる):単なる知識でなく、深く体得すること。智慧の目覚め。
  • 努力しよう:真理の理解と実践を目指して、自己修練を重ねること。
  • 争いが止む:怒りや対立が収まる状態。争いの根本は「無明(真理を知らぬこと)」にあるとする仏教的理解に基づく。

🧾 全体の現代語訳(まとめ)

世の多くの人は、物事の本質(道理)を理解していない。
だからこそ、私たちは真理を求め、努力しなければならない。
真理を理解した人は、争いの無意味さに気づき、
自然と争いを手放すことができるようになる。
――理を識ることこそが、争いを終わらせる鍵である。


🧠 解釈と現代的意義

この句は、「争いの本当の原因は、無知である」と明言しています。
つまり、怒りや対立は相手が悪いからではなく、
私たちが「理」を知らないことに起因している

だからこそ、他人を責めるより先に、まず自分が「道理を識る者」となる努力をせよ。
真理に目覚めた者から順に、争いをやめていけばよい――
それがこの句の持つ仏教的かつ平和的なメッセージです。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での活用例
対立解消の起点相手を変えようとするのではなく、自らが理解を深めて行動を変える。結果として争いが収束する。
組織のリーダーシップ部下や他部門を責めるより、まず「理を知る者」として冷静で思慮深い対応を示すことが、全体の調和につながる。
問題解決の姿勢表面的な対立ではなく、根底にある「理」(目的・本質・背景)を見ようとする意志が、対話の質を変える。
職場文化づくり理解と共感を育む文化は、単なるルールより強い。理を識る者が多い職場は、自然と争いが減る。

🧭 心得まとめ

「怒るより、理解せよ。争うより、理に近づけ。」
「理を知る者が、争いを止める者となる」

他人が道理を知らないからといって責めるのではなく、
自分が道理を体得し、実践する側に立つことが、
争いのない社会・職場・家庭を築く第一歩です。

世界が変わるのを待つのではなく、自ら理を灯しなさい――
それがこの句の静かなるメッセージです。


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