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最も愛される者、それは真理を伝える者


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■引用原文(日本語訳)

「人のうちで、彼ほど私に好ましいことをする者はいない。またこの地上に、私にとって彼ほど愛しい者はいないであろう。」
(バガヴァッド・ギーター 第18章 第69節)


■逐語訳

  • 「人間たちの中で(マヌシュヤーナーム)、
  • 彼よりも私にとって好ましい存在(メイヤム・プリヤクリット)をなす者は誰もおらず、
  • またこの地上において(プリティヴィヤーム・ナ)、
  • 彼より愛しい者(プリヤタロ・ブーヴィ)もいないであろう(バヴィター・ナ・チャ)。」

■用語解説

  • 好ましいことをする者(プリヤクリット):神(クリシュナ)にとって喜ばしい行為、すなわち「真理を人々に伝える者」
  • 最も愛しい者(プリヤタマ):神の教えを自ら実践し、また他者にも広めることで、神に最も近く、最も深い信頼と愛を得る者
  • 地上(プリティヴィ):現世、あるいはこの世界に生きるすべての人間界の象徴

■全体の現代語訳(まとめ)

「この世界の人々の中で、神の教えを広める者は、誰よりも神にとって好ましい存在である。
また、この地上において、神にとってそれ以上に愛しい者はいないであろう。」


■解釈と現代的意義

この節は、**「教えを広める者=最高に愛される存在」**であることを宣言するものです。

神は、「自らだけで悟る者」よりも、
「他者にも教えを伝える者」をこそ、最も敬愛する――
これは、知識と信愛の完成形が「分かち合い」にあることを意味しています。

真理は独り占めするものではなく、他者と分かち合うことでこそ輝きを増す。
それが、神の心に最も響く「好ましい行為」なのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での適用例
価値の継承と育成得た知識・経験を次世代に伝えられる人が、最も信頼され、評価される。メンターや教育者の本当の価値はここにある。
理念の体現者単にルールを守る人ではなく、理念を語り、実践する人が、組織の中核となり、周囲の尊敬を集める。
影響力の根源人に好かれるために媚びるのではなく、「本質を分かち合い、共に成長しようとする者」が、最も影響力を持つ。
利他的リーダーシップ自分の成果ではなく、他者の成長や組織全体の進化を願って行動する人が、真に「愛されるリーダー」となる。

■心得まとめ

「最も愛される人は、真理を語り、他者を導く人である」

ギーターは語る――
「この教えを信じ、
愛をもって他者に語る者は、
私にとって最も好ましい存在であり、
この地上で最も愛しい者となる。」


この節は、**「最高の知は、他者のために用いてこそ完成する」**という智慧を伝えています。
学びの道を歩む私たちにとって、「自分が得たものをどう人に伝えるか」こそが、最後の試練であり、最高の奉仕なのです。

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