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満ち足りた心で、真理一つを見つめよ


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■原文(一〇)

もしも楽しく生きようと欲するならば、
修行者のつとめに注視して、
互いに満足せよ。
唯一つの真理(=ブッダの教え)を念じて修行せよ。


■逐語訳

  • 楽しく生きようと欲するならば:精神的な平安と充足に満ちた人生を望むなら。
  • 修行者のつとめに注視して:日々の実践・戒律・正念・精進など、仏弟子としての務めに心を集中させよ。
  • 互いに満足せよ:他者と比べず、今ある環境・人間関係・日々の営みに感謝し合え。
  • 唯一つの真理を念じて修行せよ:道を分けず、ブレず、仏陀の教えという一本の道を信じ、ひたすらに歩め。

■用語解説

  • 満足(サントーシャ):足るを知ること。仏教における基本的な心の態度。
  • 唯一つの真理:仏陀が説いた「四諦」「八正道」「縁起」「無常・無我・苦」など、普遍的で変わらぬ悟りへの道。
  • 念じて修行する:心に深く意識し、常にそこに立ち戻りながら実践を積むこと。

■全体の現代語訳(まとめ)

本当に心から楽しく、安らかに生きたいと願うならば、日々の修行や務めに誠実に向き合いなさい。
そして、他者と比べて不平不満を言うのではなく、「互いにあること」に満足し合いなさい
そうした姿勢の中で、ただ一つの真理――仏の教えを深く心に念じ、それを道しるべとして修行を続けなさい。
そこにこそ、静かな歓びと、深い安心のある人生がある。


■解釈と現代的意義

この句は、「幸福とは外から得るものではなく、内なる態度と一つの道への集中によって育まれるものだ」と教えています。
現代では、多くの情報や選択肢があるがゆえに、人はしばしば比較し、迷い、分散してしまいます。
だが、人生の満足とは「選ぶこと」ではなく、「選んだ道を深めること」にあるのです。
また、「互いに満足する」という言葉には、感謝・協調・他者尊重の精神が込められており、これは家庭・職場・社会すべてに通じます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈・適用
チームビルディング互いの能力や役割を尊重し、足りないことではなく「今あるもの」に感謝し合える文化が、信頼を育てる。
事業の軸多角化や迷走を避け、「自社の唯一の価値」「一貫した使命」を明確にし、それに集中する姿勢が成果を生む。
働き方常にスキルアップや昇進を求めて焦るよりも、「今の業務に全力を尽くし、その中に喜びを見出すこと」が持続力をもたらす。
リーダーの姿勢複雑な選択肢の中で惑わず、「一本の真理」に立脚しながらチームを導く姿が、安定と敬意を生む。

■心得まとめ

「比べず、迷わず、今ここを喜べ」

楽しく生きたいと願うなら、他を羨まず、道を分けず、今ここに集中せよ。
互いに満足し合い、唯一の真理を道しるべとして実践を重ねる人こそが、真の喜びに至る。
ビジネスも同じ。あれこれと比較して迷うより、「自分たちの道」を見極め、それを深く耕すことが、強く美しい成果を生む

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