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📜 引用原文(『ダンマパダ』第32偈)
起つべき時に気力がなく、
ことばでは力んだことを言うのに、怠り怠けていて、
希望もなく、意欲を失った者は、
知慧の道を永遠に知ることがない。
🪶 逐語訳(意訳)
- 行動すべき時に力が出ず、
- 大きなことを語るだけで、実際には怠けている者、
- 目標も明確でなく、心に燃える意欲もないような人は、
- 真の智慧へと至る道を、永遠に理解することができない。
📘 用語解説
用語 | 解説 |
---|---|
起つべき時(samaya) | 機会・行動すべきタイミング。仏教においては「正しい努力の時」。 |
力んだことを言う(bāhusacca) | 知識だけを語る人、あるいは実行の伴わない誇張的な言動。 |
意欲が害われ(chanda-upahata) | モチベーションの喪失。目標や情熱を失った状態。 |
知慧の道(paññāya magga) | 精進・瞑想・正見などを通じて到達する悟りの道。 |
🧾 全体の現代語訳(まとめ)
行動すべきときに行動せず、
言葉では立派なことを語っていても、
実際には怠惰で、やる気も希望も失っている人は、
いくら知識があっても、本当の智慧や成長の道を理解することはできない。
🔍 解釈と現代的意義
この偈は、「言葉だけの人間」と「怠惰な意志の持ち主」が、
いかに真理から遠ざかるかを説いています。
- 「やります」「変わります」と口では言うが行動しない
- 夢や目標を語るが、その実行に伴う努力を惜しむ
- 小さな行動を怠り、「気づけば何も変わっていない自分」に苦しむ
現代では、SNSや会話の中で理想や思想を語ることは容易です。
しかし、語るだけでは人生も社会も変わらない。
意志ある行動、習慣、反復された努力――それが智慧への道であり、信頼への道でもあります。
💼 ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 適用例 |
---|---|
リーダーシップ | 方針を語るだけで自ら動かないリーダーは、組織の信頼を失い、改革は進まない。 |
プロジェクトマネジメント | 「やる気はあります」という表明より、期日に行動で示すことが重要。 |
チームビルディング | 行動のない大口や評論ばかりのメンバーは、チーム全体の意欲を削ぐ。 |
採用・評価基準 | ポテンシャルよりも、実行履歴・継続力が信頼と成果の鍵。 |
💡 心得まとめ(結びのことば)
「口で語る未来は誰にでも描ける。だが、それを築けるのは、今ここで動ける者だけだ。」
「意志なき者に、智慧の道は見えない。」
実行力のない誓いは、
心の怠慢を隠す言い訳でしかない。
本当に変わりたいなら、
まず小さな一歩を起こすこと。
それが、真の智慧と成長への道を開くのです。
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