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愛執は災いの根。修行者は目覚めて歩め


目次

📜 引用原文(日本語訳)

愛執は苦しみの起る根源であると、
この危ない患らいを知って、
愛欲を離れ、執著して取ることなく、
修行僧は気をつけながら遍歴すべきである。
――『ダンマパダ』 第三章「愛執」より(一八・結び)


🔍 逐語訳・語句解説

  • 愛執は苦しみの起る根源:貪・瞋・痴(三毒)の一つとしての「貪=愛執」が、あらゆる苦しみの始まりであるという仏教の縁起的見方。
  • この危ない患らいを知って:愛執がいかに危険で、心を病ませるかを深く理解すること。
  • 愛欲を離れ、執著して取ることなく:快楽への欲望や所有欲から距離を取り、何かに「とらわれる心」を持たずに生きること。
  • 修行僧は気をつけながら遍歴すべき:日々の中で心の動きを観察し、常に気づきと注意深さをもって歩むこと。

💬 全体現代語訳(まとめ)

愛執こそが、あらゆる苦しみの根本的な原因であるということを深く理解しなさい。
その危険性に目覚めた者は、愛欲に囚われず、何ものにも執着することなく、
日々の生活の中で細心の注意を払いながら、心を澄ませて歩むべきである。
それが、真の修行者――すなわち「目覚めて生きる者」の道なのだ。


🧭 解釈と現代的意義

この句は、「知識を得たら終わりではなく、それを**“実践によって保ち続けること”**が大切だ」と強く教えています。

  • 「知っている」だけでは十分ではない
     執着の危険性を理解しても、日常の中で気づかずに再び囚われてしまうのが人間の常です。
  • だからこそ、目を覚ましたまま歩め
     遍歴とは単に旅をするという意味ではなく、**「心に気づきながら一歩一歩を歩む」**こと。
     それは現代においても、マインドフルな生き方、意識的選択、そして誠実な行動と重なります。

この句はまさに、「目覚めた者」の日常の姿勢を描いているのです。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
価値観の継続的点検利益や成果に執着するあまり、初心や理念を見失っていないかを日々振り返る。
自己観察によるメンタルマネジメント欲望・焦り・怒りといった感情に囚われそうになった時、自覚して手放す練習を継続すること。
継続的マインドフルネスの必要性一時の瞑想やリトリートだけではなく、会議中・業務中・休息中すべてにおいて「今ここ」に気づいていることが重要。
リーダーシップと内省部下に「求めすぎていないか?」「執着により判断が歪んでいないか?」を常に問い続ける姿勢が信頼を築く。

🪷 心得まとめ:感興のことば

「知識よりも、注意深い歩み。
執着の根を知る者は、一歩ごとに目を覚ましている。
欲望を断つ者にこそ、真の自由と安らぎが宿る」

この章の結びにふさわしく、第18節は「警鐘と実践」を統合した教えです。
それは、すべての人が「目覚めて歩む生き方」をすることの尊さと、その歩みを乱さぬように気をつけ続けよという温かな戒めでもあります。


🔚 第三章「愛執」まとめの一言

「執着を知り、断ち、超えよ。
一瞬一瞬の中に、悟りの種がある。」


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