MENU

世代を越えて響く、義の誓いの音

目次

■心得タイトル

「」


■引用原文(日本語訳)

「ドルパダ、ドラウパディーの息子たち、
勇猛なスバドラーの息子も、それぞれ一せいに法螺を吹き鳴らした。」
―『バガヴァッド・ギーター』第1章 第18節


■逐語訳(一文ずつ)

  • 「ドルパダ王、
  • ドラウパディーの五人の息子たち、
  • そして、勇猛なるスバドラーの息子(アビマニユ)も、
  • それぞれが一斉に法螺貝を高らかに吹き鳴らした。」

■用語解説

  • ドルパダ:パンチャーラ国の王。ドリシタデュムナとドラウパディーの父。過去にドローナと因縁を持つ。
  • ドラウパディーの息子たち:パーンダヴァ五兄弟とドラウパディーとの間に生まれた五人の王子。将来を期待された若き戦士たち。
  • スバドラーの息子(アビマニユ):クリシュナの妹スバドラーとアルジュナの息子。若年ながら高い戦闘力と勇気を持つ。
  • 法螺を吹き鳴らす:単なる戦闘合図ではなく、それぞれの戦士が「義(ダルマ)」のために立ち上がる覚悟を音として表明する儀式的行為。

■全体の現代語訳(まとめ)

ドルパダ王、彼の孫にあたるドラウパディーの息子たち、さらにアルジュナの息子アビマニユまでもが、一斉に法螺を吹き鳴らした。その光景は、年長の王から次世代の若き戦士たちまでが、「義の戦い」に身を投じる覚悟を共有していることを示している。戦場にはもはや年齢も立場も関係なく、全員が共通の理念のもとに一致団結している。


■解釈と現代的意義

この節は、「世代を超えて一つの価値のもとに集まる者たち」の姿を描いています。老王から若き王子まで、戦場で吹き鳴らされる法螺の音は、それぞれの立場での「義の決意」を表しています。

現代においても、世代間の断絶ではなく、「共通の目的」「共通の価値観」を共有できるときに、組織や社会は最大のエネルギーを得ることができます。それは、上の世代が理念を守り、下の世代が新たな力で継承する循環でもあります。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
世代の連携ベテランと若手が同じ理念を持ってプロジェクトに取り組むことで、深い一体感と成果が生まれる。
理念の継承「なぜこの仕事をするのか」という問いに対し、全員が納得し共鳴できることがチームを強くする。
組織の文化形成世代や役職に関係なく、一人ひとりが理念を「自分のこと」として捉え、能動的に発信・行動することで文化が根づく。
若手の登用と自覚若手(ドラウパディーやスバドラーの息子たち)にも「旗を振る」機会を与えることで、覚悟と成長を促す。

■心得まとめ

「理念を響かせよ。年齢も立場も超えて」
この戦いは、ある者のものではない。年長者も若者も、それぞれの立場で「正しき道(ダルマ)」のために声を上げている。それぞれの法螺の音が重なり合うとき、組織は世代を超えた大義の響きを持つようになる。理念を共有し、自らの意志で鳴らせ――その音が未来を動かすのだ。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次