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心は風のごとし。制御の対象であって、否定の対象ではない


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■引用原文(日本語訳)

実に意は動揺し、かき乱し、強固である。
それは風のように抑制され難いと私は考える。
―『バガヴァッド・ギーター』第6章 第34節


■逐語訳(一文ずつ)

  • 実に、意(心)は非常に動揺し、
  • かき乱されやすく、
  • 頑固であり、強固である。
  • それはまさに風のようであり、
  • 制御するのは極めて困難だと私は思う。

■用語解説

  • 意(マナス):心の働き。思考や感情を生む根源。迷いや執着、欲望もここから生じる。
  • 動揺し・かき乱し(チャンチャラ/プラマティ):揺れ動き、静止せずに常に刺激に反応する性質。
  • 強固(バラヴァット):頑なで制御しづらい状態。
  • 風(ヴァーユ):制御できない自然の象徴。心の動きの比喩として頻出する。

■全体の現代語訳(まとめ)

アルジュナは言う:
「私の心はあまりにも揺れ動き、かき乱され、
まるで風のように強くて、押さえがたい。
その制御は極めて難しいと感じる。」


■解釈と現代的意義

この節は、アルジュナが**「心を制御する」ことの困難さ**を正直に吐露した場面です。

心(意)とは、静めようとすればするほど、暴れ出すようなものであり、
人間の内面がいかに扱いづらいものかを、古典的かつ象徴的に表現しています。

この苦悩は、現代に生きる私たちも共感できるものです。
集中しようとしても雑念が湧き、感情が波立ち、やるべきことが手につかない――
**誰もが経験する「心の風」**に向き合う姿がここに描かれています。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈と応用例
自己認識自分の「集中力のなさ」や「感情の波」に気づくことが、成長の出発点。
メンタルトレーニング心が動揺するのは当然という前提で、マインドフルネスやルーティンを導入する。
経営判断情報や感情に流されやすいと認めることで、慎重でバランスのとれた意思決定ができる。
組織運営メンバーの「気が散る」「動揺する」状況を咎めず、支援と仕組みで支えるマネジメントが必要。

■心得まとめ

「風を責めるな。帆を調えよ。」

心が揺れるのは当然。
動揺し、かき乱され、どうしようもない時もある。

だが、風が止むのを待つのではなく、
その風にどう帆を張るかを学ぶことが、
真のヨーガへの第一歩である。

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