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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第48偈)
生きとし生ける者の
死と生をすべて知り、
執著なく、
よく行きし人、覚った人、かれをわれは〈バラモン〉と呼ぶ。
🔍 逐語訳(意訳)
- すべての生命(生きとし生けるもの)の、
- 生(誕生)と死(滅)をよく知っており、
- 一切の執著を離れ、
- 正しく歩み、真理を体得した者――
その人を、仏陀は〈バラモン〉と呼ぶ。
🧘♂️ 用語解説
用語 | 解説 |
---|---|
生きとし生けるもの | あらゆる生命、存在する一切の命(虫・動物・人間・神々などを含む)。 |
死と生を知る | 輪廻・生死の理(生起と消滅の因縁)を見通す智慧。 |
執著なく | もの・人・結果・感情に囚われず、心の自由を得た状態。 |
覚った人(ブッダ) | 真理に目覚めた者。仏陀、または自己を明らかにした賢者を指す。 |
🗣 全体の現代語訳(まとめ)
あらゆる命の「生まれること」と「死ぬこと」の意味を深く理解し、
それに執着せず、真理に従って正しく生き、
すでに目覚めた人――
それが仏陀の言う〈バラモン〉である。
🧭 解釈と現代的意義
この偈が教えてくれるのは、
「命に対して深く理解があること」と「そこに執着しない智慧」は矛盾しないということです。
つまり、「生きること」「死ぬこと」「老い」「別れ」などを他人事とせず、深く見つめながらも、心をそこに縛られない。
それが真の“悟り”であり、“慈悲と無執着の両立”がここに現れています。
🏢 ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 応用・実践例 |
---|---|
人間理解と客観性 | 相手の感情・状況を深く理解しながらも、自分を失わない態度。 |
終わりを知る力 | プロジェクトや人材の“サイクル”を見抜き、執着せず手放す力。 |
覚ったリーダー像 | 常に冷静で、未来を読み、人に振り回されず、人を理解する人物像。 |
慈悲と距離感の両立 | 深い共感と戦略的判断を両立するマネジメントの理想形。 |
💡 感興のことば:心得まとめ
「命を理解し、執着せず、歩み続ける者」
生まれる命も、消える命も、
そのすべてを見届けながら、
執われず、動じず、
覚りの道を歩む人。その人こそが、静かな光を放つ〈バラモン〉である。
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