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営業外損益とは?

営業外損益(Non-Operating Profit and Loss)とは、企業の本業以外の活動で発生する収益(営業外収益)と費用(営業外費用)の差額を指します。これにより、企業の本業以外の収益性やリスクを把握することができます。


営業外損益の構成

1. 営業外収益

本業以外の活動から得られる収益。

  • 受取利息:銀行預金や債券からの利息収入。
  • 受取配当金:保有する株式から得られる配当金。
  • 為替差益:為替レートの変動による利益。
  • 貸付金利息:他社への貸付に伴う利息収入。
  • その他の収益:保有資産の運用益や雑収入。

2. 営業外費用

本業以外の活動で発生する費用。

  • 支払利息:借入金に対する利息の支払い。
  • 為替差損:為替レートの変動による損失。
  • 社債利息:社債発行に伴う利息。
  • 投資損失:株式や債券の運用損失。
  • その他の費用:雑損失や資産運用にかかる費用。

営業外損益の計算式

[
営業外損益 = 営業外収益 – 営業外費用
]

例:

  • 営業外収益:100万円(受取利息:50万円、為替差益:50万円)
  • 営業外費用:30万円(支払利息:20万円、投資損失:10万円)

[
営業外損益 = 100万円 – 30万円 = 70万円
]


営業外損益の特徴

  1. 本業の収益性とは独立
  • 営業外損益は本業の業績に直接影響を与えないため、企業の本業の実力を見るには営業利益を確認する必要があります。
  1. 一時的・偶発的な要素が強い
  • 為替差益や投資損失など、経済環境や市場変動による影響を受けやすい。
  1. 財務健全性の評価に役立つ
  • 借入金の多さや資産運用の成果を測る指標となります。

営業外損益の関連指標

1. 経常利益

営業利益に営業外損益を加えたもの。

[
経常利益 = 営業利益 + 営業外損益
]

2. 財務活動比率

営業外費用の比率が高い場合、借入金の多さや利息負担が経営に与える影響を測定する指標。


営業外損益の影響要因

1. 金利変動

  • 受取利息や支払利息が金利の上下で大きく変動します。

2. 為替変動

  • 為替差益や差損が為替レートの動きによって発生。

3. 投資活動

  • 株式や債券などの運用益・損失が反映されます。

4. 借入金の多寡

  • 借入金が多いほど支払利息が増加し、営業外損益に影響を与えます。

営業外損益の成功事例と失敗例

成功事例:

  • 企業A:受取配当金の増加
  • 大手企業の株式を保有し、配当金が前年の1.5倍に増加。
  • 営業外収益が上昇し、営業外損益が黒字化。

失敗例:

  • 企業B:為替差損の発生
  • 外国通貨建ての借入金を持つが、急激な円安により為替差損が大幅に発生。
  • 営業外損益が赤字となり、経常利益に悪影響。

営業外損益の管理ポイント

  1. 借入金の適正管理
  • 借入金の金利や返済条件を見直し、支払利息を抑制。
  1. 為替リスクのヘッジ
  • 為替予約やデリバティブを活用して為替変動リスクを軽減。
  1. 投資運用の見直し
  • 安全性の高い投資先を選定し、運用リスクを最小化。
  1. 収益多様化
  • 本業以外でも安定した収益を得るために、多角化を進める。

営業外損益の注意点

  1. 一時的な要因の影響が大きい
  • 営業外損益は不確定要素が多いため、経常利益の評価には慎重な分析が必要です。
  1. 財務リスクの増加
  • 営業外費用が増加すると、本業が好調でも企業全体の利益に悪影響を及ぼす可能性。
  1. 本業とのバランス
  • 本業が赤字で営業外収益に頼る経営は、持続可能性が低い。

まとめ

営業外損益は、企業の本業以外の収益性や財務健全性を測る重要な指標です。営業外収益の増加や費用の抑制を通じて、経常利益の向上を目指すことが重要です。

一方で、営業外損益は一時的な要因に左右されやすいため、長期的な視点でリスク管理を徹底し、本業の収益性とのバランスを維持することが必要です。

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