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清く勤め、智慧に至れば、魔も寄りつかぬ


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📖 原文引用(日本語訳)

清らかに戒しめをたもち、つとめはげんで生活し、正しい知慧によって解脱した人々には、悪魔も近づくによし無し。
――『ダンマパダ』第七章(第十九節)


📝 逐語訳

  • 戒律を清らかに保ち(持戒)、
  • 日々怠ることなく熱心に努めて生き、
  • 正しい智慧(パンニャー)によって煩悩から解き放たれた人々には、
  • 悪魔(マーラ)すら近づく術がない。

🧩 用語解説

  • 戒しめ(シーラ):道徳的・倫理的な行動規範。仏道修行の土台。
  • つとめはげむ(精進):怠らず努力し続ける姿勢。六波羅蜜のひとつ「精進波羅蜜」。
  • 正しい知慧(パンニャー):真理を見抜く智慧。無常・無我・苦の真理を洞察する力。
  • 解脱(ヴィムッティ):心の束縛が解かれた自由な境地。悟り。
  • 悪魔(マーラ):煩悩や迷い・欲望・怠惰・恐れを象徴する存在。仏道修行の障害となるものの象徴。
  • 近づくによし無し:影響を及ぼすことができない・近づく隙すらない。

🪞 全体現代語訳(まとめ)

この句は、「戒律・精進・智慧」という三つの修行の柱を完備した人の内面の力強さと清らかさを讃えています。
**そのような完成された人物には、どんな悪意や誘惑、混乱も近づけない。**それはまるで、高い山の峰に雲が届かないような境地です。


🌏 解釈と現代的意義

この教えは、**「人格を鍛え、日々努力し、智慧を育んだ人には、外からの邪なものは通用しない」**という普遍的な力強いメッセージです。

現代社会では、煩悩に満ちた誘惑・プレッシャー・情報・怒り・不安が絶え間なく押し寄せますが、人格・努力・洞察の三つを柱とする人は、それらの“現代の悪魔”からも守られるという安心感を与えてくれます。


💼 ビジネスにおける解釈と応用

観点実践例
倫理の徹底(戒)コンプライアンスを守るだけでなく、常に誠実・公正な判断を実践することが信頼の礎となる。
日々の努力(精進)結果や評価に一喜一憂せず、継続的な努力を積むことで信頼と成果を築く。
本質洞察(智慧)表面的な情報に流されず、長期的な視点・構造的な理解をもって判断できる力。
精神的安定性組織の危機や人間関係の混乱にも影響されにくく、周囲を安心させる存在になれる。

🧠 心得まとめ

「戒を守り、勤めを怠らず、智慧をもって歩む者には、混乱も惑いも及ばない」

日々の言動を整え、たゆまず努力し、物事の本質を見抜く力を育んだ者は、
どんな困難や誘惑に直面しても揺るがず、迷わず、静かに道を進んでいくことができる。
それは、現代における“最強の強さ”――内なる安定と自律の姿そのものです。


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