初めの成功は、往々にして時代の追い風に助けられている。時流に乗っていれば、特別な才能がなくても、場合によっては大した努力をしなくても利益が出ることがある。中には、たまたま成長市場に入り込んだだけなのに、それを自分の実力と錯覚してしまう例も少なくない。ここに落とし穴がある。
努力せずに利益を得られる状態が一年、二年と続けば、やがてそれが当たり前になり、経営者も社員も次第に危機感を失い、惰性に陥る。だが、好調は永遠には続かない。
企業が生き残るためには、常に新しい顧客を開拓し、第二、第三の事業の柱を築き続けなければならない。既存の商品も改良を重ね、絶えず価値を付け加えていく必要がある。それを怠れば、企業は衰退の道を辿る。
本当に難しいのは、最初の成功に安住せず、環境や市場の変化を見据えて「次の成長の軸」を打ち立てることだ。変化に素早く対応し、逆境の中でも着実に売上と利益を伸ばし続ける体制を築いていく。これこそが、経営者に求められる本当の覚悟である。
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